受注業務を電子化する方法5選|メリット・デメリットを解説

食肉業界向け

FAXや留守電による注文受付がまだまだ多い食肉業界。しかし近年の働き方改革や感染症流行によるリモートワーク推進の動きも相まって、従来のアナログな受注業務を見直す企業が徐々に増えてきました。この記事では受注業務の電子化を検討する企業様向けに、知っておきたい電子化手法5つとそのメリット・デメリットについて解説します。

受注業務を電子化する方法は大きく2種類

受注業務を電子化するには、大きく分けて≪FAX運用を残すやり方≫≪電子データ取引に移行するやり方≫があります。それぞれのやり方の中にもいくつか方法があるため、自社の業務事情に合った方法を選ぶと良いでしょう。

≪FAX受注を電子化する≫
1.クラウドFAXを利用する
2.FAX OCRを利用する

≪受発注を完全データ化する≫
3.受発注プラットフォームサービスを利用する
4.自社のWeb受注システムを構築する
5.モール型ECサイトに出展する

上記5つの電子化方法について、メリット・デメリットを踏まえながら順に解説していきます。

クラウドFAXを利用する

クラウドFAXを利用すると、受信したFAXがPDFデータに自動変換されクラウド上に保存されます。受信データを自動でフォルダ分けする機能もあり、注文書の仕分けやファイリングに苦労している場合は有効です。ネット環境さえあれば、自宅や外出先からFAX注文内容が確認できるようになります。

クラウドFAXのメリット
▪ 発注者側の注文フローを変更する必要がないため、導入しやすい
▪ 印刷コストが抑えられ、また受信機能だけなら安価に利用可能(月額数千円のサービスも多い)

クラウドFAXのデメリット
▪ 注文書を指示書代わりにする/メモを追記して返信するなどの運用には向かない
▪ 注文内容を受注システムに入力する場合、画面切り替えをしながらの作業となるため不便

FAX OCRを利用する

自社のFAXサーバに「OCR」と呼ばれる自動文字認識ソフトをインストールして利用します。読み取った文字データをCSV化して受注システムと連携すれば、FAX運用を残したまま受注入力を簡素化できるのが大きな特徴です。元のFAXデータはサーバに保管されるため、ペーパーレスにも繋がります。

FAX OCRのメリット
▪ 発注者側の注文フローを変更する必要がないため、導入しやすい
▪ 注文情報を一から入力する手間が省ける(OCRクライアント側で文字認識ミスを修正するだけ)

FAX OCRのデメリット
▪ 注文書フォームの種類が多い場合、読み取り用フォーム設計の作業コストが増える
▪ 文字認識結果の確認作業は必要になるため、受注入力へのマンパワーはどのみち必要

受発注プラットフォームサービスを利用する

発注者側と受注者側が共通のクラウドシステム(受発注プラットフォームサービス)を利用することで、受発注業務を電子化します。受発注業務に付帯する見積書や請求書発行もあわせて電子化できるなど、拡張性が高いのが特徴です。

受発注プラットフォームのメリット
▪ 注文情報が完全電子化されるため、受注入力が不要になる
▪ 得意先が(他社との受発注取引で)すでにプラットフォームサービスを利用している場合、得意先の発注業務も効率化される

受発注プラットフォームのデメリット
▪ 利用者は共通のプラットフォームを利用するため、入力項目などのカスタマイズ性が低い
▪ 月額制サービス(月数万円)のため、発注フローを変えたくないなどで得意先の利用者が少ない場合、長期利用するとコストメリットが低くなる

自社のWeb受注システムを構築する

自社専用のWeb受注システムを公開し、得意先はそのシステムを使って発注処理を行います。一から設計してシステム構築する場合とパッケージを利用する場合があり、後者であれば比較的すぐに始められます。入り口を通販サイトのような見た目にして新規顧客からの受注も狙うなど、戦略活用の幅が広がるのが強みです。

自社システムのメリット
▪ カスタマイズ性が高く、取扱う商品特性や受注形態に合わせた入力仕様にできる
▪ 作り方次第で自社通販サイトを兼ねることができ、新たな販路として活用することができる

自社システムのデメリット
▪ 従来の発注フローが変わることに得意先が同意してくれないなど、運用前の根回しが大変
▪ 他の方法に比べて初期導入費用が高く、お試し利用などもできない

モール型ECサイトに出店する

出店料を支払ってショッピングサイトに自社通販ページを設け、オンライン受注を狙うやり方です。既存得意先との定期的な受発注業務には向きませんが、特定分野の商品だけを集めたショッピングサイトも多数あり、新規顧客を開拓する場面では有効に利用することができます。

モール型ECサイトのメリット
▪ 簡単に自社の通販サイトを持つことができ、販路が広げられる
▪ ショッピングサイト側で集客してもらえるため、認知度アップや集客に課題がある場合に向いている

モール型ECサイトのデメリット
▪ 公開する情報を利用するショッピングサイトの出店フォーマットに合わせなければならず、他社と差別化したり魅力を最大化しづらい
▪ ライバル企業も出店していることが多く、顧客が他社に流れる恐れがある

さいごに

食肉業界において未だFAX注文が主流である要因の一つに、不定貫品の重量伝達や、多様化した注文品の規格管理など、業界独特の業務の複雑さが挙げられます。これらは、例えばハンディ検品を導入したり、システム機能を業務に合わせた仕様にすることで乗り越えることが可能です。発注側と受注側の双方でデジタル化環境(と、それを受け入れる意識)が整えば、業界の受発注業務負荷は現在より大きく減らせるはずです。

新型コロナウイルスの流行を機に、食肉業界内でもリモートワークが可能な業務とそうでない業務の振り分けが行われました。今後、受注業務はリモートワーク可能な業務として認識され、電子化に向け更に加速すると思われます。本記事が、貴社の受注業務見直しの後押しとなれば幸いです。

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