売上データを戦略改善に繋げる方法~実績分析3ステップ

業界共通

「いつも集計表の同じ項目を確認して終わってしまう」「データの活用方法がわからない」システムユーザー様の中には、そんな悩みをお持ちの担当者様が多くいらっしゃいます。この記事では、データを有効利用する具体的方法として、システムライフ流『実績分析3ステップ』をご紹介します。

必要なのは「集計」ではなく「分析」

集計と分析の違い

実績データとは“過去の事実の集まり”であり、私たちは事実確認するために「集計」を行っています。集計とは過去を眺める手法にすぎず、未来を変える行為ではありません。常に改善を求められるビジネス現場では、過去を眺めるだけでは不十分です。そこで、何を改善すべきかのヒントを得るために、集計データの「分析」を行うわけです。分析とは集計データを観察して改善の示唆を見い出し、未来に繋げることだと言えます。

集計と分析が扱っているものは同じですし、見た目の行為も区別がつきません。しかし明確な違いを1つ挙げるなら「さあ、どこを改善しようか」という目的意識があるかないか、だと考えます。

実績分析の3ステップ

「さあ、どこを改善しようか」という目的意識を持って実績集計を行い、売上が伸び悩んでいる商品群を見つけたとします。責任者が次に考えるのは、

  • 何が要因となって伸び悩んでいるのか
  • どこをテコ入れすれば売上が回復するか

といったことでしょう。これを突き止めるには、実績データをより深く観察していく必要があります。このようにデータ分析は常に、大局的な視点から実務目線のミクロな視点へと移っていきます。マクロからミクロへ、実績分析の一連の流れをプロセス化するために、弊社ではデータ分析を以下の3つのステップに分けて行うことを提唱しています。 

実績分析3ステップ ~データは『分けて』『比較する』
ステップ1 データをグループ分けする
ステップ2 データ同士を比較する
ステップ3 データを掘り下げる

ここからは3ステップ別に、すぐにでも試せる実績分析の方法とコツをご紹介していきます。

ステップ1:データをグループ分けする

データ分析とは、データを『分けて』『比較する』ことです。例えば売上分析の場合、データ分けの最小単位は、一品一品の商品毎、または一軒一軒の得意先毎、ということになります。しかし最初からそのような分け方をすると、膨大な数値データを比較することになり大変です。そこで使われるのが、データをグループに分けて比較するやり方です。売上分析の場合、グループ単位のデータ分布から売上の傾向や特徴を見い出して、販売戦略へと繋げます。

グループ分けの方法として一般的なのは、導入しているシステムの「マスタ設定機能」を利用するやり方です。商品マスタや取引先マスタに設けてある属性設定部分に、以下のような属性項目を設定し、グループ集計をするための下準備を行いましょう。

≪グループ分けの例≫
▪ 担当者属性(担当者別、担当部門別)
▪ 商品属性(食品の場合は、冷凍/冷蔵/常温など)
▪ 取引先属性(エリアや業態など)

ステップ2:データ同士を比較する

データをグループ分けする下準備が整ったら、いよいよそれらを様々なパターンで集計し、比較します。ここでデータ同士を比較する主な目的は、データ分布の様子や実績の大きな傾向などを掴み、改善できそうなデータの“アタリ”をつけることです。データ比較は主に、『個と個』『グループとグループ』『過去と現在』『目標と実績』で行います。

個別の取引先や商品同士で比較する

システムの集計表出力画面より、取引先(得意先/仕入先)または商品を設定し、最小単位でデータ集計を行います。この場合は比較データが多くなり、データ分布の様子や傾向を掴むのは難しくなります。これを行う場合は、並び替え指定を行うのがコツです。主に、重要なものからデータを並べて管理の優先度を見出すための分析(ABC分析)で活用されます。

データグループ同士を比較する

システムの集計表出力画面より、売上や仕入実績データを属性別にまとめてグループ集計を行います。この場合、一つ一つの数字そのものに重要な意味はありません。グループ別のデータ分布や、別パターンの集計データとの関係性などを観察し、データの傾向を掴むイメージが大切です。様々なグループパターンの集計を試しながら、実績の法則性などを探っていきましょう。また比較だけでなく、並び替えを行ってグループ単位のABC分析(重要なものからデータを並べ、管理の優先度を見出す分析)を行うのも有効です。

過去と現在を比較する

実績データを過去と比較する場合、一般的には「前年同月」との対比が用いられます。このため多くの販売管理システムには「前年同月対比表」の出力機能が設けられており、“増減欄”を確認することで実績の異常をチェックすることができます。

注意しておきたいのは、増減が大きい=異常が深刻、ではありません。高単価商品であれば、少しの数量差で金額は大きく増減してしまいます。データ比較では表れた数値を直訳せず、前年と今年で何が違うのか、背景を想像して仮説を立てながら、改善につながりそうなデータを見つけ出していきます。

目標と実績を比較する

導入しているシステムに予実管理機能がある場合、予算登録を行うことで「予実対比表」が出力できます。予実対比表には“達成率”が表示されます。ここでの目的は、経営・販売戦略の妥当性を見極め、修正アクションをかけるべきデータを発見することです。

注意点は、単月の結果に囚われないことです。集計月や集計期間など集計条件を変えたデータと照らし合わせながら、次の手を考える必要があります。達成率が極端に大きかったり小さかったりする状況が続けば、営業計画(予算)の見直しを検討します。

ステップ3:データを掘り下げる

データ分析とはデータを『分けて』『比較する』ことですが、その目的は得られた示唆を実務レベルで改善に繋げることです。「関東地方での売上が他のエリアより多い」ことがデータ比較でわかったとして、それを実務の戦略に落とし込むためには、データ材料としてはまだ不十分と言えます。

そこで、比較により改善の“アタリ”を付けたデータをさらに深堀りし、よりミクロな示唆を見つけ出す作業が必要になります。今回はデータを深堀りする方法として、「集計階層を増やす」「データの変化を見る」の2つの方法をご紹介します。

集計階層を増やす(ドリルダウン)

システムから『○○別○○別○○別売上実績』のようなタイトルの帳票が出力可能なら、それはデータを深堀りする機能です。是非活用しましょう。情報の階層レベルを一ずつ掘り下げ、詳細なデータを取得する手法は「ドリルダウン」と呼ばれます。ドリルダウンによってデータは細分化され、掘り進むごとに比較する量が増えていきます。このため全データを集計対象とするのではなく、商品コードや取引先コードなどを指定するなどして、事前にアタリを付けたデータに検討を絞り込むのがコツです。

データの変化を見る

システムに実績推移表の出力機能があれば、データの掘り下げに活用できます。ここで確認したいのは、時系列での変化動向やその度合いです。推移表の場合、一般的に1項目につき12カ月分のデータが連なります。当然チェックするデータ量は多くなるため、ある程度改善の“アタリ”をつけてから活用することをお勧めしています。

さいごに

いかがでしたでしょうか?実績データは、今や「人・モノ・カネ」に続く貴重な経営資源です。情報システムを導入すると、嫌でもデータは蓄積されていきます。使われずに社内に眠っているデータも、分析すれば価値ある営業リソースに変わるのです。それらをぜひ有効活用いただき、戦略改善と次なる利益の創出に繋げていただけたらと思います。

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