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SL大学|配車はなぜ属人化するのか?

SL大学2023.1.6

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

運送業界の悩み、配車業務の属人化・配車マンへの依存がなぜ起こるのかを考えます。

配車の質を決定する要素とは

配車そのものは手順を覚えれば誰でもできるはずで、問題は配車の質なのだと思います。優秀な配車マンは、配送効率を上げて売上を最大化させ、運行コスト最小化を実現しています。彼らが配車時に何を考え判断しているのか、そこに配車属人化から脱却するヒントがあるはずです。

優秀な配車マンが配車時に考慮していること

【荷量の要素】
・積む荷物の荷姿や容積は?
・手配すべきトラックの種類や大きさは?
・積載重量はオーバーしない?
・積み降ろしの順番は?

【ルートの要素】
・運行ルートのパターンは?
・どの位置にいる車輌がどの時間帯で空車になる?
・混載、発着地を経由できる車輌はあるか?
・最新の道路状況は?(工事規制、渋滞エリアなど)

【顧客特性の要素】
・待機時間が発生しやすいお客様か?

【乗務員の要素】
・乗務員の得意ルートや未経験ルートは?
・乗務員の出退勤時間は?
・乗務員によって水揚げに偏りが出ていないか?

まだまだあるでしょうが、これらを網羅的に考慮できれば確かに配車の質が上がり、車輌あたりの売上最大化や運行コスト最小化が図れそうです。

配車要素の組み合わせは会社によって違う

運送会社によっては、車輌サイズごとに配車マンを分けていたり、定期配送便に乗務員を割り当てたりと、配車業務の前提条件は様々です。また24時間体制のコンビニ配送とキャリアカーによる商品車輸送では配車ロジックが異なるように、運ぶ荷物も配車の在り方に大きく影響します。配車要素の組み合わせは会社それぞれである、というのが大前提ということです。

問題は、どこまでITで置き替えられるか

配車を標準化する場合、どの要素が配車を決定づけそのために何の情報が必要なのかを整理しなければなりません。それらの情報がデータ管理できたうえで配車ロジックが明確であれば、配車計画は自動作成できるはずで、現に当社でも商品車輸送の場面で自動配車機能を実装した例があります。

逆にあらゆる情報管理ができたとしても、配車ロジックが曖昧だったり複雑すぎると、配車計画の自動化は難しくなります。こういった場合にシステムが取るべき(取れる)立場は、「正しい配車判断に必要な情報を、素早く、分かりやすく提供する」ことです。時間ごとの車輌位置や空車情報、乗務員ごとの水揚げデータなどはシステムで管理できるので、そういった情報と配車機能を連携させた「配車支援システム」が現実的な選択肢になるではと思います。


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