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SL大学SYSTEMLIFE-UNIVERSITY

SL大学|「在庫があわない問題」に対処するには

SL大学2023.1.27

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

物流倉庫のよくあるお悩み、「在庫があわない問題」について、対処方法を考えます。

STEP1:在庫があわない要因を書き出す

一般的に、実在庫と帳簿在庫は、毎月末に一致させる処理を行います(月次棚卸)。一致させたのにも関わらず、翌月末にはまた、実在庫と帳簿在庫の残数が合わなくなっています。WHY?

≪実在庫と帳簿在庫があわない要因≫
■トラックからの積み降ろし忘れ
★入出荷時の数え間違い
★出荷ロット・出荷商品の間違い(指示されたロット/商品を出していない)
■ラベルの貼り間違い(別の商品として認識され荷役が行われる)
■在庫台帳の記帳間違い/漏れ(数、日付、品番、ロットNo.など)
■棚卸時の数え間違い
■保管場所・棚移動の間違い
■荷役作業漏れ(指示が伝わらずモノが予定通りに動いていない)
■盗難、破損、汚損

★が、いわゆる「誤出荷」と呼ばれるものです。

STEP2:ミスが起こる原因を考える

在庫があわない要因を書き出すと、そのほとんどが人のミスであることがわかります。問題を解決するには、人的ミスを防げばよいのです。そしてミス発生への導火線を断ち切るには、まず導火線(ミスの背後に横たわる原因)を見つけ出す必要があります。

≪人的ミスが引き起こされる原因≫
■在庫管理のルールがない(または徹底されていない)
→作業者が忙しすぎて徹底できない、在庫管理に対する意識やルールの認識が甘いなど
■業務自体が、個人のスキルや集中力に依存しすぎている
→思い込みや確認不足が発生する、庫内環境が過酷、1人あたりの作業量が多すぎるなど
■人的ミスを防ぐ工夫が少ない
→指示書類(行や数字を見間違う)、ロケーション配置(誰がどこに置いたか分からない)など

STEP3:問題への対処方法を考える

上記にあげたようなミス発生への導火線こそが、対処すべき問題です。この問題にうまく対処できれば、在庫があわない問題は解決できると考えられます。さて、どう対処するのがよいでしょうか?

≪問題にどう対処する?≫
■作業の機械化:人的ミスを防止する、慣れない人でも同一品質が保たれる
■情物一致のしくみ:情報とモノの動きをリアルタイムで一致させ、作業忘れなどを発生させない
■情報の可視化:従業員の在庫管理意識が向上し、ルールが徹底されるようになる
■環境整備:業務マニュアルの制定、在庫管理ルール見直し、庫内の整理整頓など
■取引先を巻き込んで全体最適化:ソースマーキングや検品レスで、抜本的な業務改革を図る

対処方針を固めたら、具体的な方法論へと進んでいきます。例えば、情物一致のしくみとは、入出荷や棚移動でモノを動かすと同時に、情報(在庫データ)を更新するということです。データの即時更新のやり方は、ハンディターミナル、RFID、自動倉庫など様々あるので、それぞれの事業者にとって最適な方法を選んでいくことになります。


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