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SL大学|食肉標準ラベルを在庫管理に活用するには

SL大学2023.3.29

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

国産品には高確率で貼付されている食肉標準ラベルを、在庫管理に活用する方法を考えます。

食肉標準物流バーコードの基本(部分肉ラベル)

部分肉ラベルに表示されるバーコードは、通常、基本+補助の2種類で構成されます。バーコード格納情報が製造業者ごとにバラバラだと流通の際に不便なため、「食肉標準」として以下の通りバーコード規格が定められています。

基本バーコードに格納する情報
商品コード(14桁)、重量(6桁)、製造年月日(6桁)、カートンID(最大12桁)

補助バーコードに格納する情報
ロットNo.(最大20桁)、個体識別番号(10桁)、枝番等(最大30桁)、カット規格(最大30桁)
※業者ごとにカスタマイズされる。AIコード含め全体で45桁以内。

ラベルサイズやレイアウトは業者ごとに異なるものの、表示されているバーコードはたいてい上記規格のとおりです。一見するとシステム管理すべき情報はほぼ含まれており、これだけで在庫管理ラベルとして成立しているように思えます。なのに何故ほとんどの在庫システムで、自社ラベル(自社管理用バーコード)の発行を必要とするのでしょうか。

在庫管理するには、ユニークな在庫No.が必要

在庫管理システムを導入する場合、在庫は番号で捉えることになります。在庫番号は管理する単位でユニークであることが条件で、ロット管理ならロットNo.、単品管理なら単品シリアルNo.などです。

標準ラベルのバーコードには、この在庫管理システム用の在庫番号がありません。補助バーコード内のロットNo.が使えそうですが、そもそも補助バーコードにどんな情報を格納するかは製造業者ごとにカスタムされるため、必ずロットNo.が組み込まれるとも限らないのです。組み込まれたところで、そのロットNo.は製造業者が付番したもの。部分肉製造を行うA社とB社が全く同じ番号を付番する可能性もあり、仮にこの2社から部分肉を仕入れた場合、標準ラベル記載のロットNo.はユニーク番号として使えないことになります。

そういうわけで、在庫管理するには自社バーコードラベルを発行するのが一般的になっています。

それでも標準ラベルを活用したい

逆に、食肉標準バーコードに「在庫システム上、必ずユニークになる番号」を組み込むことができれば、自社ラベルを発行する必要はなくなります。部分肉ラベルを出力するのは計量器システムなので、システム所有者(仕入先/カット委託先工場など)と交渉できれば、標準ラベルだけでユニーク番号を取得できるかもしれません。以下、ユニーク番号の取得例です。

≪実例≫
■カット委託先に計量器システムを改修してもらい、計量機械No.+日付+連番のユニーク番号を発番/バーコード化する(別ルートで発行する在庫番号と重複しないよう番号帯を指定)
■カット委託先が発番したユニーク番号をそのまま活用する(部分肉カット工場が1カ所しかないため、発番された番号が重複する恐れがない)

≪その他の例≫
■基本バーコード+補助バーコードのフル桁を、1つのユニーク番号とする
→重量含め全商品情報が一致する在庫はほとんど存在しない、という思想から。ただし在庫特定のために毎回2つのバーコードをスキャンする必要あり。
■基本バーコード内の商品コードにJANメーカーコードが含まれている場合は、仕入先情報と組み合わせることで補助バーコードだけで在庫特定に繋げる(上記の簡易版)


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