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SL大学SYSTEMLIFE-UNIVERSITY

SL大学|個建て・二次輸送の業務課題と解決方法

SL大学2023.6.23

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

当社のソリューション実例を材料に、一次/二次輸送の違いと業務課題の解決方法を学びます。

運送会社の仕事の受け方

運送会社が仕事を受ける際の決めごとの大筋は、「どういう契約で、どういう荷物を、どこからどこまで、いくつ(どれくらいの量)運ぶか」になります。一部補足します↓

・「どういう契約で」というのは、車建て/個建て/混載/共配 などに分類できる
・「どこからどこまで」というのは、一次輸送/二次輸送 に大きく分類できる

また「どういう荷物を」にあわせて、車輌や輸送ノウハウを準備しなければなりません。仕事の受け方が変われば、管理する情報や出てくる業務課題も異なってくるものです。実例を見てみましょう。

実例で学ぶ、個建て・二次輸送の課題解決

自動車工場で生産された商品車を、一次輸送(工場~モータープール等の中継拠点)&二次輸送(中継拠点~自動車販売店や個人宅)する運送会社の業務課題の例です。

一次/二次輸送の業務の違い

一次輸送の注文内容は、「商品車20台を7/1に出荷します、7/2までにモータープールAまで輸送してください」のような感じになります。これを受けた運送会社側は、車輌を必要数割り当て、日時や場所をドライバーに指示します。メーカー側の生産計画にあわせて運ぶモノや量が決まるので、やることが明確なぶん、受注や請求業務が煩雑化するといった問題はあまり生じにくいように思います。

二次輸送の注文は個建てで受けており、「荷主A:中古車1台、7/1にオークション会場Xに運んで」「荷主B:中古車1台、7/3に中古車販売店Xに運んで」「荷主C:以下略」…といった感じです。たくさんの荷主からバラエティ豊かな配送注文が入るので(注文フォーマットもバラバラ)、それらを仕分けて効率よく配車計画を立てたり、荷主ごとに何枚も伝票を書き起こす必要があります。

二次輸送の課題:請求ミスや漏れ

この運送会社では、二次輸送分の請求ミス・漏れがたびたび発生していました。なぜそのようなことが起きてしまうか、分析するために業務の流れを順を追って見てみます(超ざっくり)。

【受注】事務担当者が荷主から配送注文を受ける→依頼FAXや受注メモのコピーを配車担当者に渡す
【配車】配車担当者が上記をもとに配車を行う→上記メモ等を乗務員に渡す(配送指示)
【運行】乗務員が上記配送指示を片手に出庫→納品書を手書き発行して荷主に渡す
【実績管理】乗務員が手書き日報と納品書控えを事務担当者に提出する→事務担当者がシステムに実績入力し、納品書控えを経理担当者に渡す
………以上、締日まで繰り返し………
【請求】経理担当者が納品書控えとシステムの実績情報を照査する→システムから請求書発行

二次輸送の課題をどう解決したか

上記業務の流れには、ヒューマンエラーの発生ポイントがいくつもあります。そして実際にエラーが発生し、それによりシステムの実績情報が狂ったことで請求ミスや漏れが発生していたのです。

≪ヒューマンエラーの発生ポイント≫
・電話注文分をメモに書き起こす際の記入ミス
・事前の注文内容以外の依頼を現場で引き受けた際の実績報告漏れ
・乗務員の日報記入ミス、事務担当者の実績入力(転記)ミス
・納品書控えの紛失  など

このケースでは、受注内容が配車・配送指示・納品書発行・日報・請求機能にシームレスに引き継がれるシステムを構築したことで、入力/転記ミスのリスクを減らし、請求業務の課題解消に至りました。

一次輸送では起きにくい問題が、二次輸送では起こり得ます(逆も然り)。業務分析に入る前に「そもそもその企業がどのような仕事の受け方をしているのか」という根本に目を向けると、問題の原因がより見えやすくなるかもしれません。


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