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SL大学SYSTEMLIFE-UNIVERSITY

SL大学|ルート配送のシステム化パターン

SL大学2023.9.15

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

ルート配送の配車管理パターンを学習します。

ルート配送の特徴と課題

スポット配送の配車管理は、運ぶ荷物の荷姿を聞いて(受注)、引取から納品までの配送方法(ルートや時間)を運送会社が決めていきますが、ルート配送では配車管理の流れが異なります。

ルート配送とは

例として、コンビニ配送をイメージしてみましょう。物流センターでおにぎりやお弁当などを積み込み、A店→B店→C店…と走行ルート順に荷物を降ろしていきます。次の日も、各店舗に新しいおにぎりやお弁当を納品するため同じ配送を行います。このように毎回決まったルートを運行するパターンを、一般的に「ルート配送」と呼びます。

ルート配送の配車管理

荷積み/荷卸しの場所や時間が固定化しているルート配送では、「このコースをこんな時間割りで配送して」と荷主側が配送計画を立てることも少なくありません。配送を請け負う運送会社は、その配送計画に対して車輌と乗務員を割り当てます。車輌・乗務員の稼働状況(車検や修理、休日など)を見ながら、半月~ひと月単位でシフト組みしていくイメージです。

ルート配送の配車管理の課題

ルート配送は、月単位で車輌・乗務員の稼働計画が立てられ、突発的な予定変更も起きにくいことからリソース不足/余剰リスクを抑えられるのがメリットです。しかし下記のような課題もあります。

・シフト調整の属人化(各コースの特徴を考慮し、乗務員の手当が平等になるよう調整するなど)
・担当者の業務負荷(乗務員の希望シフト管理、人員過不足時の応援調整など)

ほかに、配車計画を部門間で共有できていないことによる情報伝達の手間や、配車管理と日報管理が分断されることによる二重入力などもよくある課題です(このあたりは一般的な配車管理と同じ)。

ルート配送の配車管理はシステム化すべきか

ルート配送は、基本的に車建てです。必然とコース単位で料金が決まるので、たとえば全く同じコースを1年間配送した場合、毎月の請求金額も全く同じ、ということになります。しかも配送ルートは荷主が策定してくれるので、配車管理というよりシフト管理です(ちなみに運送会社が配送ルートを策定することもある、その場合は普通の配車管理に近い)。

ということで、費用をかけてわざわざシステム化するより、Excelでシフト管理・請求書作成するほうが早いケースも有り得ます。ルート配送の何を改善したいのかポイントを押さえないと、手間だけ増えて使わないシステムになってしまうので注意が必要です。

ルート配送のシステム化パターン

コース管理

コース単位で料金が決まるので、「いつ/どの車輌が/どのコースを走ったか」を管理し、荷主からの支払い通知などと照合する機能があると良いです。ポイントは以下の通り。

・コース管理機能(積み降ろし地や時間の設定、コース変更、繁忙期における臨時コース対応など)
・コース単位の料金管理機能(改定日の管理、超過単価などの設定)
・請求月の考慮(夜間配送などもあるので、どのコースを月締めの対象とするか)
・運行実績表(どのコースを誰が走ったか、などの実績を管理)

シフト自動作成

シフト作成はある程度のルール/ローテーションがあり、それに沿ってシフト作成を自動化できれば大きな業務効率化となります。ただし、担当者の中に潜在的なロジックがあることも多く、自動化を検討する場合は細かいヒアリングが必要です。

潜在的なロジックの例としては、乗務員ごとのアサインNGコース(スキル不足や事故実績、道幅の狭さなどによる制限)や、乗務員の労務管理(夜間配送などの手当・残業時間の考慮)などが挙げられます。

メモ)ヒアリングのポイント

・荷主と運送会社でコースの区切り方が異なる場合がある点に注意
・日またぎのコースがある場合、発着日どちらの日付を基準日とするか(運送日、請求日、乗務員の出勤日に影響あり)
・コース情報は、どの位の頻度で変わるか(コース設定のインポート機能や複写機能の可否)
・夜間配送などの特別な手当計算が必要か(手当計算を当システムで行い、給与は他システムで管理する場合)
・教育目的などで同乗運転時に、日報入力で同乗者の入力を簡素化する必要が有るか
・デジタコ連動の有無と、勤怠連動の可否


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