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SL大学SYSTEMLIFE-UNIVERSITY

SL大学|運送業における商流管理の全体像

SL大学2023.10.27

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

運送基幹システムの機能範囲を見極めるのに重要な知識:「運送会社の商流管理」を学習します。

運送業における商流管理

商流管理ってなに

商流=お金のやり取りのこと。請求や入金消込などは商流管理の日次業務として行われているほか、これらを正しく行うことで経営に不可欠な原価・粗利管理なども行えるようになります。

運送業において、商流管理のメインとなる要素は、おおよそ下図のようなイメージです。

運送業の商流管理では、仕入販売管理+経費管理が必要

上記の図では各要素を、青:売上赤:傭車(仕入)緑:経費黄:手当に色分けして分類しています。各分類の中身は後述するとして、これらの要素を俯瞰すると下記の構造が見えてきます。

:仕入販売管理(どの企業も販売管理ソフトを使って請求等の日次業務をこなす)
:経費管理(一般的には財務会計上の「販管費及び一般管理費」にあたり、会計ソフトに入力して収益などを把握・管理する)

一般的な基幹システム導入では仕入販売管理を対象とすることが多いですが、運送会社に導入する場合はそれだけでは不十分ということ。運送会社は、車輌経費や運行収支を日次レベルで把握したいので、結果的に「同じシステムで経費管理までやりたい」というニーズが出てくるのです。

システムの機能構成パターン

厳密には、仕入販売管理のみの導入が不十分かどうかは、システム導入の目的によります。以下、実例です。ポイントとしては、経費管理を含めるかどうかと、仕入売上管理を実績(日報)スタートとするか計画(配車)スタートとするか、の違いがある点です。

収支管理を強化したい:日報入力を基点に、仕入販売管理+経費入力で収支管理を実現
収支管理と配車管理を強化したい:受注・配車入力を基点に日報管理に繋げ、あとは上記流れで実現
請求処理を効率化・配車管理を強化したい:受注・配車入力を基点に、仕入販売管理に繋げて実現

各機能(商流管理の要素)をダイジェスト解説

詳細は別ノートにまとめるとして、商流要素として色分け説明した「売上」「仕入」「経費」「手当」について、概要を超ダイジェストで解説します。

売上管理

一般的な販売管理システムの「売上管理」と基本的には同じ。売上入力(日報入力)データをもとに請求書を発行し、売掛金を管理します(売掛金元帳や入金入力など)。日報入力の前段階として受注(配車)機能を設ける場合もある。受注や売上データから「運賃確認書」などを出力したりする。

仕入管理(傭車管理)

一般的な販売管理システムの「仕入管理」と基本的には同じ。仕入入力(傭車入力)データをもとに買掛金を管理します(買掛金元帳や支払入力など)。売上管理と同じく、受注(配車)機能からスタートして傭車依頼からシステム化することも。傭車データから「支払通知書」などを出力したりする。

車輌経費管理

運送会社にとっての売上原価=その運行に要した費用。車輌そのものの代金(減価償却やリース料)、高速道路・燃料代といった運行経費のほか、車輌維持費(点検や修理代)も含まれる。運行経費は運行ごとに異なるので日報入力で行い、その他の車輌コストは車輌経費入力で管理することが多い。

手当管理

上記の「その運行に要した費用」には、当然ドライバーの人件費も含まれる。基本給だけなら給与システムで管理できるが、長距離や夜間乗務などの手当については運行ごとに異なるので、このあたりをシステム化する場合は車輌経費と同じく日報入力にて管理することになる。


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