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SL大学|「担当者別の在庫管理」を考える

SL大学2023.12.1

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

ルート営業型の食肉卸で時折見られる「担当者別に在庫管理したい」という要件について、その背景から考えます。

担当者別在庫管理を行う背景

経営者にとって在庫=現金なので、在庫の補充や残数管理などは全社単位で行うのが一般的です。しかし食肉業界では、これらの在庫管理を担当者別に行うことがあります。背景を考えてみましょう。

≪担当者別在庫管理が発生する背景とは≫
・納品先ごとに、納品する商品の条件が異なる(=その納品先用の在庫を用意する必要が出てくる)
・営業マンの売上/粗利が、人事評価に直結する(=営業マン各自で仕入原価をコントロールしたい)
・セット仕入品のパーツ売れ残りを防ぐ(=不人気部位の販売努力を促進したい)

ちなみに1番目の「納品する商品の条件」とは、「●等級以上」とか「産地は●●牧場だけ」とか、そういうイメージです。同じ商品でも個体差がある食肉業界特有の商習慣と言えます。

担当者別在庫管理のメリット・デメリット

メリット

ルート営業の場合、得意先から注文を受けたら、在庫残数をすぐに把握して納期回答ができます(自分が管理する在庫だから)。先日付注文で在庫確保していたのに、いつの間にか別の営業マンが他の得意先に売ってしまい納品する在庫がなくなっていた(いわゆる空売り)、という心配もありません。

また、仕入交渉力のある営業マンにとっては、正当な評価を得やすくなるメリットもあるでしょう。

デメリット

場合によっては、まったく同じ商品が、別々の営業マン名義で大量に在庫されることになります。在庫量が増えれば、管理コストと売れ残りリスクも増えます。管理コストには、棚卸作業や在庫の整理整頓などが含まれますが、加えて営業マン別に在庫を持つということは、現物の在庫にも「誰々用」という区別が必要です(張り紙を貼る、スペースを確保して置き場所を分けるなど)。

担当者別に在庫管理する場合のシステム運用

担当者別在庫管理を行う場合の主なシステム要件は、以下のとおり。

■受注時の在庫引当:自担当分以外の在庫は引当て制限をかける など
■在庫情報の見せ方:担当者別に在庫情報(残数や仕入原価など)を表示させる など

smartBPCでは、各営業マン専用の倉庫コードを設けることで、データ上は在庫を切り分けることはできます。ただし、在庫引当の制限や在庫情報の見せ方については、事業者ごとの業務要件に応じてカスタマイズが必要です。


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