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SL大学SYSTEMLIFE-UNIVERSITY

SL大学|RFID活用の落とし穴と、回避方法

SL大学2024.3.1

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

RFIDを使った入出荷運用には注意すべきポイントがあるので、事例をもとに学習します。

RFID活用の事例概要

宴会や会議用のテーブルクロスなどを貸出サービスする企業。大型のプラ箱に商品を格納した状態で出荷(貸出)~入荷(返却)する業務形態で、中身1つ1つを検品チェックする手間を省くためにRFIDによる在庫管理を導入しました。RFIDタグを取り付ける商品は何度もクリーニングを行うため、耐洗性タイプを採用しました。(チーフなどの小物はバーコード管理?)

この取り組みで入出荷業務の効率化/ミス防止を図り、結果的に「4~5人でやっていた作業を1人で行えるようになった」「午後いっぱいかかっていた作業がトータル2時間まで短縮された」等の効果は出ましたが、一部業務において想定していなかった問題が起きたので、ケーススタディします。

※補足:RFIDタグの素材は、リネン向けのほかにラベル型、セラミック型、金属対応型などがあり、使用する環境や取り付け商品の材質等に合わせて選択する

導入後に発覚した問題

大口の出荷では、1回に数10ケースのプラ箱を検品しなければなりません。RFIDの一括スキャンで検品作業を省力化・効率化を実現するねらいがありましたが、出荷予定のプラ箱が近いエリアに仮置きしてあり、「検品対象でないプラ箱IDまで読み込んでしまう」という問題が生じました。

同じようなトラブルは、入荷時にも起きました。返却されたプラ箱は、いちど倉庫の入出庫口に置いて入荷チェックする業務フローでしたが、この状態でプラ箱を一括スキャンすると、倉庫の壁を挟んで庫内に保管中の在庫タグIDまで読み込んでしまいます。

システム導入後の運用現場は、スキャン対象となるプラ箱を都度移動させるなど、当初想定していなかった作業が発生する状況となりました(事前検証では一部の在庫にしかタグを取り付けなかった)。

問題の回避方法

RFID電波の受信or遮断を、物理的に切り分ける

以下、大掛かりな庫内レイアウト変更を行わずに、上記問題に対処する方法です。

■出荷しないプラ箱IDまで読み込む問題
→固定式パーティションで余計なタグ電波を遮断する
→移動式の遮蔽ボックスカートを使って余計なタグ電波を遮断する
■壁の向こうの在庫タグ電波まで読み込む問題
→遮蔽性のあるの壁紙シートを倉庫内壁に貼り付ける

物理的切り分けをもっと柔軟に行う場合は、軽くて移動しやすい遮蔽板もアリ(3kg程度)。

庫内レイアウトを見直す

検品商品とそうでない商品を物理的に離して業務するスペースがあれば良いですが、運用上の不都合も生じるため、レイアウト変更だけでの解決は難しいことのほうが多いかと思います。

抜本的な解決手段としては、たとえばスキャン端末をハンディタイプではなくゲート型や板型のものにできると、上記のような問題は防げます。仕組みとしては、ゲートの左右にスキャナーが内臓されており、左右で読み込まれたタグIDが一致するものだけをデータ処理対象とするパターンや、下方から上方に向けてスキャンするなどです(上部空間には何もないという前提のソリューション)。

仮導入で運用テストする

入出荷~在庫管理にRFIDを適用する場合、部分検証~全体導入の中間的位置づけで「仮導入」を実施する倉庫も存在します。具体的には、保管ラックの素材を比較検討のために数種類準備したり、RFIDを取り付けるサンプル在庫を100個単位で製造しておくなどです(特に取扱商品に金属製品が含まれるケースでは、このような慎重策がとられるイメージ)。

※基本的にRFIDと金属製品は相性が悪い。理由はRFIDアンテナと製品の金属材が同化することや、リーダーの電波が金属材に反射して読み取りにくくなるなど。これを乗り越えたのが金属対応型。


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