9/8~4日間にわたり、東京ビッグサイトで「国際物流総合展2026」が開催されました。
物流・運送システム開発に25年以上携わってきたシステムライフが、独自の視点で展示会をレポートします。

≪国際物流展2026潜入レポート 目次≫
■2大トレンドワード:「フィジカルAI」と「全体最適」
■ソリューションピックアップ:一括スキャンするバーコード
■雨にも冷凍倉庫にも負けない物流ロボットを作れ!
2大トレンドワード:「フィジカルAI」と「全体最適」
今回の展示会では、「フィジカルAI」を掲げたブースパネルをよく見かけた印象です。これまで物流ロボット・搬送ロボットを動かすには、事前に動作ルールや通路マップなどの細かな設定が必要でしたが、人が詳細にルール設定せずともロボットが自ら状況判断して動くのが「フィジカルAI」です。
フィジカルAIロボットは、複数のカメラ画像から空間を認識し、荷物の形状/素材を認識します。そのうえで、どの方向に移動するか・どうモノを掴むか・どこに置くか、などを決め、そのように動きます。各展示ブースでは無人フォークリフトが自分で空き棚を見つけてパレットを格納したり、半分人間の形をしたピッキングロボット(ヒューマノイド)がぬいぐるみやポテトチップスの袋を器用に掴んでバラピッキングする様子を実際に見ることができました。
もう一つのトレンドワードである「全体最適」は、それらの物流ロボットを局所施策として終わらせず、物流全体を効率化・省力化する取り組みを指します。会場ではロボット間の連携だけでなく、AIが各ロボットの稼働データを横断分析して改善を図る仕組みや、メーカーの垣根を越えて最適なシステム・ロボットの組み合わせを提案・提供するプラットフォームサービスなどが紹介されていました。
ソリューションピックアップ:一括スキャンするバーコード
バーコード検品は物流現場でいまだ主流の検品方法ですが、商品を1つずつスキャンする手間が発生します。この手間をカットする方法としてRFID(電波方式)による一括スキャンが挙げられますが、使い捨てラベルで採用するにはコストの問題がありました。
そこで目に留まったのが、商品ラベルに印字されたアルコード(ArU-code)とiPhone端末を使って一括検品を行うソリューション。アルコードは二次元コードなので見た目はQRコードに似ており、以前から搬送ロボットに走行ルートを指示するための床マーカーなどに使用されています。今回の展示会では新たな活用方法として、納品現場などでの商品検品が提案されていました。商品外装に貼付されたアルコードラベルを iPhoneカメラで撮影すると画像に写った全商品の品番チェックが行われ、誤納品が防がれます。
RFIDと異なり画像認識型なので、一括スキャンするにはアルコードラベルが同じ面になるよう荷物の向きを揃える必要はありますが、一般的なバーコード検品より作業削減できるのは大きなメリットと言えます。いまのところiOSアプリにのみ対応していますが、すでに導入運用している企業もあるとのことで、今後の対応端末の広がりに期待したいところです。
雨にも冷凍倉庫にも負けない物流ロボットを作れ!
国際物流展といえば以前からロボット展示会のような雰囲気がありますが、それでも毎回「新型」が紹介されているのを見ると、メーカー各社の物流課題解決に対する並々ならぬ執念を感じます。今回も、より痒い所に手が届くロボットが多数紹介されていました。
ビジュアル面でもインパクトが大きかったのは、「屋根(シャッター)つき自動搬送ロボット」。ロボットが持ち上げたパレットを丸ごとシャッター設備で覆うため、雨天時に倉庫建屋間を移動する際などに荷物を守ることができます。ほかにも、マイナス25度の冷凍倉庫内で動ける自動フォークリフト/搬送ロボットなどが複数出てきており(※)、物流ロボットの進化を見ることができました。※ただし、バースと出入りする場面では結露問題でまだ実用化の壁はある様子
技術進化が進めば進むほど、より多様な場面で、様々な事業者が、物流ロボットを選択肢とできるようになります。国際物流展の動向は、今後もチェックが必要そうです。



