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SL大学SYSTEMLIFE-UNIVERSITY

SL大学|有効在庫管理で未来の在庫増減を捉える

SL大学2023.2.24

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

実在庫とは別に、Excel管理されることも多い有効在庫。有効在庫管理の基本から学習します。

在庫管理の目的と、システムの在り方

まず在庫管理の目的を整理しましょう。大きくは以下の3つです。

①品質管理業務:滞留在庫や賞味期限切迫などをチェックする
②棚卸業務:帳簿在庫の正確性を維持する
③受発注業務:在庫の補充/販売の判断を下す

在庫管理システムの最もシンプルな形といえば、入出庫実績に基づいて実在庫を管理・照会するもの。上記目的①②についてはその在り方で十分かと思います。目的③についても、いまある在庫に対して受発注の判断を下す場合(前日受注し翌日出荷するなど)は問題ありませんが、事業形態によっては問題が生じるケースがあります。

未来の在庫の動きを把握したい

実在庫情報だけで受発注の判断を下せないケースとはどんなものなのか、考えてみましょう。

例えば大口得意先ばかりで1日の出荷量が多い場合、その物量の多さから計画的に仕入発注を行っておく必要があります。また受注は日次/週間/月間と様々な単位で入りますが、大量の在庫を闇雲に抱えるわけにもいきません。在庫の入出荷サイクルが出来るだけ無駄なく回るよう、事前の段取りが重要なのです。そこで必要とするのが、未来の在庫の増減(入荷予定/出荷予定)情報。実在庫と未来在庫を考慮したうえで、在庫補充の判断や注文を受けてよいかどうかの判断を行います。

有効在庫の管理方法

入出荷予定を加味した在庫を、一般的に「有効在庫」と呼びます(呼び名は事業者ごとに違ったりする)。有効在庫の計算式は「入庫予定在庫+実在庫-引当て済在庫」です(だいたい)。有効在庫管理を取り入れる場合のシステムフロー例は、以下の通り。

≪在庫受け入れ側≫
・発注登録により、帳簿在庫に入庫予定在庫として計上
・入荷登録(ハンディ検品など)により、帳簿在庫に実在庫として計上

≪在庫払い出し側≫
・受注登録により、帳簿在庫(入庫予定在庫+実在庫)の引当て/予約を実施
・出荷登録(ハンディ検品など)により、帳簿在庫を引き落とし

これにより、帳簿在庫上で未来の在庫の動きまで捉えられるようになります。その結果、先日付の受発注を考慮した適正在庫管理や受注残管理が可能となります。


≫関連ノート:入出荷日基準の棚卸表と、仕入売上日基準の棚卸表