SL大学SYSTEMLIFE-UNIVERSITY
SL大学|トラックドライバーの出退勤記録のとり方
SL大学2023.5.1
こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。
「ドライバーの勤怠管理を改善したい」と相談されたとき、何から考えるべきか?纏めます。
ドライバーの勤怠管理が見直される背景
会社員は、出社時に出勤時刻を打刻し、退社時に退勤時刻を打刻することで勤怠管理を行います。ではトラックドライバーはと言うと、勤務開始・終了の「打刻」があまり厳密に行われてこなかった、というのがこれまでの実情でした(理由は後述)。
しかし、2024年4月以降ドライバーにも時間外労働の上限規制が設けられることを受け、勤怠管理の正常化に本腰を入れる事業者が増えています。これまで実務上やれなかったことを何とかしてやらなければならないので、SIerとしてはその運用設計から行う必要があるわけです。
ドライバー業務の流れと、出退勤のとり方
法律で定められた出退勤のとり方
ドライバーが会社に出勤~出発し、運行を終えて帰庫~退社するまでの業務フローは、「貨物自動車運送事業輸送安全規則」の中で規定されています。それに則って出退勤時刻を取ろうとするとこうです↓
≪ドライバーが出勤して出庫するまで≫
①出勤:事務所に出社して、出勤時刻を打刻する【勤務開始】
②運行前点検:車庫に移動して、チェックリストを使って車輌状態などを点検する
③乗務前点呼:事務所や車庫で、運行管理者が②の結果やドライバーの健康状態などを確認する
④出庫:デジタコに出庫登録し、出発する【運行開始】
≪ドライバーが帰庫して退社するまで≫
⑤帰庫:車庫に戻り、デジタコに帰庫登録する【運行終了】
⑥帰庫後作業:給油などを行うほか、事務所で運行日報を作成する
⑦乗務後点呼:事務所や車庫で、運行管理者が⑥の結果やドライバーの健康状態などを確認する
⑧退社:事務所で退勤時刻を打刻し、帰宅する【勤務終了】
ドライバーの出退勤記録の実態
実態として、①⑧での打刻が厳密に行われてこなかったのは先述のとおり。背景には、事務所と車庫の建屋が離れている、1泊2日以上の長距離運行だと出先で打刻端末がない、そもそもドライバーの勤務記録は休息/休憩時間まで細かく記録しなければならず出退社時刻の打刻だけでは不十分、といった事情が挙げられるかと思います。
じゃあ事業者はどうやってきたかというと、③⑦で出退勤を取ったり(代わりに②への労働報酬を手当扱いにする)、勤務開始時間をマスター化してみたり、デジタコの帰庫処理のタイミングを退勤時刻としたりと、現実と上手く折り合いをつけながら色々工夫してきたわけです。
出退勤管理の運用設計をどうすべきか
事業者から「ドライバーの勤怠管理を改善したい」と相談されたとき、「出勤時刻/退勤時刻の定義」をまず明らかにする必要があるかと思います(大原則は①と⑧)。あとはその時間をどう記録・活用するかの問題で、事業者ごとにニーズに沿った運用設計が必要です(下記を組み合わせるなど)。
≪出退勤打刻の手段(例)≫
・タイムカード運用で苦慮しているのであれば、クラウド型ソフトを検討してみる
・点呼時間(運行管理ソフトや点呼管理ソフト)のデータを出退勤管理に活用する
・デジタコの出庫/帰庫、休息/休憩時間データを出退勤管理に活用する
≫関連コラム記事:ドライバーの勤怠管理のコツとは?|実例付きで解説
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