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SL大学SYSTEMLIFE-UNIVERSITY

SL大学|物流センターの分類と業務的特徴~TC編

SL大学2023.5.11

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

物流センターシステムを作る際の基本的な前提条件、物流センターの分類と業務的特徴を整理するシリーズ。今回はTCについて纏めます。≫物流センターの分類は別ノート参照

TC向け物流システムの前提条件

センター運営上の特徴・問題になりやすいこと

・原則、在庫保管業務はない。出荷までの一時保管庫(冷凍冷蔵品等)を有することはある
・長期保管に向かない日配品は、TC経由で出荷されることが多い
・サプライチェーンにおけるTCの役割は、様々な仕入先(メーカーや卸)の商品を受け入れ、納品店舗別に纏めた形で出荷し、全体の輸配送効率を上げること
・上記により、多数の納品店舗別に多品種小ロット仕分けが発生する=ミスが起きやすい
・店舗開店時間にあわせて出荷する=夜間作業が多くなり、人手不足になりやすい

ちなみに日配品とは、賞味期限が短いために毎日店舗に配達されるような商品(パンや豆腐など)のこと。パンは洋日配品、豆腐は和日配品です。和洋区別については、店舗内の陳列エリアが離れていたりトラック荷降ろし口が異なったりすると、出荷側で和洋仕分けまで求められる場合があります。

1型・2型の違い ※システム要件に影響大

TCには1型と2型があり、入荷形態が違うためにセンターでの作業内容が異なります。

■TC1型
→店舗別に商品梱包された状態(段ボール・コンテナ・カゴ車など)で入荷する。A社とB社とC社からそれぞれ店舗Xあての荷物を入荷し、「店舗X納品分」として荷合わせして出荷する。梱包の中身まで検品することはなく、極論トラックからトラックに積み替えするだけのTC。
■TC2型
→各メーカーや卸から、商品単位で入荷する。Y社から入荷した商品A・商品B・商品Cのうち、店舗X納品分のAとBを必要数ピッキング・梱包して出荷する。センターを通過する過程で、商品ピッキングと梱包作業(段ボール・コンテナ・カゴ車など)が発生するTC。

センターで発生する特徴的な作業 ※システム要件に影響大

■店舗別仕分け
→1型であれ2型であれ、納品先別やトラック方面別に仕分け作業を行う。仕分けのやり方は、摘み取り式と種まき式の2種類。摘み取り式では、店舗ごとに出荷商品をかき集める(事前準備として出荷商品を探す際の目印=商品看板が必要)。種まき式では、商品ごとに店舗振り分けする(事前準備としてカゴ車等を店舗数分並べておく必要あり)。摘み取り/種まきの使い分けについては、入出荷商品の荷姿や物量、作業スペースなどを鑑みて決定される。
■入出荷予定のデータ処理
→入荷予定データと出荷予定データを同時並行で処理する。入荷したら在庫せずに即仕分け・出荷するため、トラック遅延などで入荷予定に変更が発生すれば、出荷予定も変更となる。指示データフロー(入出荷予定や変更・キャンセル情報をどのタイミングでどこから受け取るか)は事業者により様々。受け取った入出荷予定データをもとに、作業現場用の検品リストや仕分けリストを作成する(1型・2型で指示の在り方が異なることに注意)。


≫関連ノート:物流センターの分類と業務的特徴~DC編