SL大学SYSTEMLIFE-UNIVERSITY
SL大学|運行指示書のルールとシステム化について
SL大学2023.5.12
こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。
運行指示書の役割は、発着地情報の伝達のほか、ドライバーに走行ルートや休憩計画を指示することで安全運行の社会的義務を果たす目的としても存在しています(この目的が見失われてバス事故が発生したケースも)。運送システム開発において、運行指示書の運用設計を行うための基礎知識を纏めます。
運行指示書に関する法令ルール
運行指示書の記載内容
運行指示書に記載する内容は、貨物自動車運送事業輸送安全規則 第7条にて詳細に規定されていますが、主には次のような項目です。
・運行開始/終了の地点および日時
・乗務員の氏名
・運行経路や、主な経過地における発車/到着日時
・運行に際して注意を要する箇所の位置 など
運行指示書の作成・保管が必要な運行
「一般貨物旅客自動車運送事業(貸切バス等)」では、必ず運行指示書を作成します。当社のお客様に多い「貨物自動車運送事業」では、実はすべての運行で作成を義務付けられているわけではなく、48時間を超える(=2泊3日以上の)運行が対象です。また、48時間以内であっても乗務前/乗務後ともに対面点呼ができない場合(運行管理者がいない営業所)は、日帰りであっても対象となります。
運行指示書の媒体
安全規則には、運行指示書媒体(紙orデジタル)についての規定は見当たりませんが、ドライバーと営業所で同一の運行指示書を保持することが定められています。なので実態としては、紙をドライバーに手渡しする事業者がほとんどです。
運行指示書自体は2泊3日行程であっても運行開始前に準備するため(※運行開始後に後付け作成すると違反!)、紙の指示書をドライバーに手渡せないケースは考えにくいですが、運行内容が途中変更になる場合(発着地/経由地の変更、時間の変更)の指示はどうすればよいのでしょうか?
この場合、一方的に変更指示を送り付けるだけのやり方(メールなど)はNGです。必ず、双方向コミュニケーションツール(電話や業務無線など)を使用する必要があります。ドライバーが自己判断で運行指示を変更するのはもってのほか。
運行指示書作成を効率化するには
運行指示書作成が義務付けられた運行
運行指示書作成に時間がかかり、悩んでいる事業者は多いです。特に2泊3日以上の長距離運行では、「どこを経由地として休息/休憩時間を設定するか」など考えることが多く、属人化にも繋がってしまいます(安全運行を脅かす要因)。運行指示書の表示項目・フォーマットは事業者ごとに異なるので、しっかり要件をヒアリングしたうえで独自構築するしかなさそうです。
運行指示書作成が義務付けられていない運行
日帰り~1泊2日行程で対面点呼を行う運行でも、運行指示書を作成している事業者は多く、そういった事業者では作業効率化に比較的取り組みやすくなります(配車データをもとに、指示書作成を自動化した事例はいくつかある)。遠隔地のドライバースマホ(LINEなど)宛てに、簡易的な運行指示を出すなどの選択肢もあります。
≫関連ノート:点呼記録簿のルールとシステム化について
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