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SL大学|2024年問題で、物流倉庫が取り組むべきこと

SL大学2023.6.28

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

2024年問題は、運送会社だけで解決できるものではありません。この社会課題の解決に向け、物流倉庫ができることをまとめます。

物流倉庫と2024年問題

「2024年問題」は、なにが問題なのか

ドライバーの時間外労働を年間960時間以内に抑えようと単純に稼働時間を削ってしまうと、事業としての売上低下や、収入減少による人材流出が起きてしまいます。また社会全体の輸配送能力が低下することで、物流が滞ったり、輸配送コストが値上がりすることも考えられます。

物流倉庫とドライバー業務は地続き

各運送会社は、これを回避するために輸配送業務の見直しや効率化に取り組んでいるのですが、運送会社が単独で頑張ってもどうにもできない要素(輸配送業務が長時間化する要素)が2つあります。①待機時間②荷役作業です。

そして本題ですが、物流倉庫は、この2つの要素に大きく関わっています。2024年問題を社会が乗り越えるため、物流倉庫側でも考えるべきこと/やるべきことがあるのです。順に説明しましょう。

①待機時間を無くすor減らす

待機時間が長時間化する要因

トラックの待機時間が発生・長時間化する要因は、大きく「倉庫側の作業待ち」と「物理的な問題」に分けられます。最近は待機時間まで請求に含めるケースも増えてきており、物流倉庫にとっては進んで解決したい問題かと思われます。

■倉庫側の作業待ち:出荷作業が予定に間に合っていない、入荷の検収に時間がかかっている
■物理的な問題:駐車場や入出荷バースに空きがなく、前のトラックが出発しないと入りきれない

待機時間を無くすor減らす方法

上記を解決するために物流倉庫ができることをまとめます。

■作業待ちを解消するには
・作業予測や予実管理を行い、運送会社に指定する時刻の精度を上げる(変更指示も柔軟に)
・作業遅れを早期発見&リカバリーできる仕組みを整える(庫内要員の配置調整など)
・検品レス(ASN+SCMラベル)を取り入れて、入出荷作業を時短する
■物理的な問題を解消するには
・入出荷バースの稼働数を増やす(あわせて設備と人員が必要)
・共配混載を活用し、トラックの立ち寄り台数を減らす

②荷役作業を時短or平準化する

荷役作業が長時間化する要因

この場合の荷役作業とは、トラックからの荷物の積み降ろしを指します。人の手で荷物1つずつ積み降ろしする場合、力作業になりやすく、女性や高齢者では対応できずに1人で作業することになるケースが少なくありません。また「積み降ろしを誰が行うのか」が明確になっていないせいで、2人でやればすぐ終わるものを1人でやって時間がかかっている、ということも考えられます。

荷役作業を時短or平準化する方法

上記を解決するために物流倉庫ができることをまとめます。

・ロボット、積み降ろし用コンベア、作業アシストスーツ(重い荷物が持ちやすくなるやつ)などで、作業を省力化する
・外国人労働者などを採用して、作業人数を増やす
・パレット積みにして積み降ろしにかかる手数を減らす(ただし積載効率は落ちる、フォークリフトの免許所持者も必要)
・積み降ろし担当者を明確にし、できれば倉庫とドライバーの協力体制で行う


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