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SL大学|2024年問題を見据えた運送管理システムとは
SL大学2023.11.29
こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。
2023年10月に「物流革新緊急パッケージ」が発表されたことを受け、改めて2024年問題でどのような取り組みが必要なのかを運送管理システムの視点から考えます。
物流革新に向けた政府の緊急政策
2023年6月に策定された「物流革新に向けた政策パッケージ」のうち、即効性の高い施策=「緊急パッケージ」として新たに定義されました。内容を超抜粋するとこんな感じ↓
≪物流の効率化に関する施策≫
・バース予約システム(バース混雑&荷待ち時間を解消)
・テールゲートリフター等の物流機器(ドライバーの力仕事を減らしドライバー不足を解消)
・港湾物流手続等の電子化
・モーダルシフト
・物流ネットワークの再形成(輸送、保管等の物流リソースの稼働率を上げて輸送力不足を解消)
上記のほかに、≪荷主・消費者の行動変容に関する施策≫、≪商慣行の見直しに関する施策≫についても言及されていますが、ここでは割愛します。
業務システムの立場から取り組めることは?
≪物流の効率化に関する施策≫については、SIerの立場からも取り組めることがあるはずです。上記に挙げられたもの以外に、システム的なアプローチ施策を考えます。
■輸配送効率化をアシスト
・混載や中継が発生する想定でシステムを作る
・配車時点で実車率、空車率、積載率を見える化する
■残業時間を考慮した配車
・配車入力/シフト入力の画面で乗務員の残業時間を見える化する
■バース予約システムの活用
・デジタコをリアルタイム連携し、乗務員の替わりに事業所で予約を集中管理する
・倉庫側のバース予約システムと連携し、自動でバース予約を行う機能など
■売上アップ(賃上げ等による人材確保)のためのデータ提供
・受注配車データや車輌別原価の見える化で、荷主との運賃交渉を後押し
※人材確保のための施策(非システム要件)には、若手人材の育成や外国人労働者の受入などもある
緊急パッケージ発表で期待されること
荷主側の業務がアナログであるために、それに合わせるかたちで物流事業者側のDXが進まないケースが多々あります。今回の緊急パッケージがどれほど浸透するかは懐疑的ではあるものの、運送業界のみならず大手荷主・倉庫業者など、社会全体を巻き込んだ取り組みが期待されるところです。
今回の改革を機に業界全体が効率化を目指すことで、アナログ業務のデジタル化が進み、それに伴う新たなサービスの可能性が広がるのではないかと思います。
≫関連ノート:2024年問題で、物流倉庫が取り組むべきこと
≫関連ノート:運送会社の経営者が知りたい数字①車輌別収支
≫関連ノート:運送会社の経営者が知りたい数字②実車率/積載率
≫関連ノート:
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