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SL大学|入荷・入庫の違いとシステム化のポイント~入荷編

SL大学2023.7.5

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

WMSでは、入荷機能と入庫機能を分けて構築することが少なくありません。各機能の違いを整理します。

サプライチェーン全体でみた入荷と入庫の違い

物流倉庫としては入荷と入庫の作業の違いはありますが、サプライチェーン全体でみると入荷と入庫どちらで資産計上(在庫計上)するかの違いもあります。

後者の資産計上については、一般的には入荷=仕入(商流)とし、販売管理で帳簿上の在庫を増やすことが多いですが、入庫=棚入れするまで資産計上しない場合もあり、販売管理システムでロケーション管理している場合などはこれに該当します(ロケ別に入庫=仕入データをとる)。

今回は、前者の物流倉庫の入荷/入庫作業の違いを理解するために、まずは入荷作業の流れとシステム化のポイントについて説明します。

入荷作業の流れ

入荷作業の流れ

①ドライバー:トラックを入荷バースに停めて荷物を降ろす
②庫内担当者:入荷した荷物を検品する(検品内容は後述)
③庫内担当者:入荷した荷物を確認して受領書にサイン(ドライバーは受領書を持ち帰る)
——以下必要に応じて
④庫内担当者:入庫の前作業を実施する(庫内用ラベル貼付、仕分け、パレット積み替えなど)

④のパレット積み替えを補足すると、パレット単載の場合はそのまま保管ロケにフォークリストで運びますが、パレット混載の場合は商品分類毎に仕分けしてや保管ロケごとのパレットに載せ変える作業が必要になります。

入荷検品の内容

・ASN情報(入荷予定)があれば、予定と一致しているか(商品情報・数量・ロット)
・破損汚損含め不良品でないか
・食料品であれば同仕入先からの同商品の最終入荷時と比較し古い賞味期限になってないか
・賞味期限の残日数が受入基準を満たすか(2分の1ルール上許容範囲かなど)

入荷検品に加え、シャンプーや化粧品などは身体に害がないかの品質検査を抜き打ちで行ったりします。

入荷のシステム化のポイント

入荷では、モノが大量に入ってくるのでいかに早く作業を熟すかが重要です。ASN情報(入荷予定)を事前に受け取ることができれば、入荷検品時に貼る庫内用ラベルを事前印刷したり、庫内要員や保管場所の確保、什器(パレット等)の準備が可能となります。あるいは、ASN+SCMラベルで検品レスの仕組みを構築し、入荷検品を大幅に時短するやり方もあります。

入荷作業の品質・効率が悪いと、在庫不一致(商品・数量・ロットが合わない)やドライバー待機問題を引き起こします。WMSなどのシステム構築時は、作業量が多い出荷作業に注目しがちですが、入荷作業の精度アップや効率化への取り組みも非常に大切です。


≫関連ノート:入荷・入庫の違いとシステム化のポイント~入庫編