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SL大学|入荷・入庫の違いとシステム化のポイント~入庫編
SL大学2023.7.19
こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。
WMSでは、入荷機能と入庫機能を分けて構築することが少なくありません。各機能の違いを整理します。
入荷業務と入庫業務の違い
別ノートにて、入荷業務と入庫業務は作業の違いのほか、資産計上のタイミングの違いもあることを説明しました。今回は、前者の入荷/入庫作業の違いを理解するために、入庫作業の概要とシステム化のポイントについて説明します。
入庫作業の要素は3つある
入荷作業の目的を「荷物を正しく素早く受け入れること」とするなら、入庫作業の目的は「入荷した荷物を効率的に正しい場所へ格納すること」です。また、入庫前に付加価値をつけることがあるので(検査や流通加工など)、このノートでは入庫作業の要素を下記3つに分けることにします。
≪入庫作業の要素3つ≫
①どう格納するか(効率的に格納する)
②どこに格納するか(正しい場所に格納する)
③格納前の付帯業務(検査や流通加工で付加価値をつける)
入庫作業の概要(要素別)
①どう格納するか
パレット保管する場合、パレットに商品を積んだままフォークリフトを用いて格納場所へ持っていくのが一般的です(ハンドリフトを使ったり、パレットからカートに積み直して保管場所に持っていくパターンも)。ケース保管の場合は、いちどパレットごと棚の前まで運んでから、1ケースずつ降ろして格納していくことが多いかと思います(ケースを開封してバラ保管するパターンも)。
「商品をどの状態(パレット/ケース/バラなど)で保管するか」によって、格納プロセスが変わる点に注意しておかなければなりません。
②どこに格納するか
たとえば入庫作業者が庫内の空いてるスペースに適当に商品を格納した場合、どの商品がどこにあるのか、その作業者以外わからなくなります。なので、どの商品をどの位置に格納するかのルールを事前に決めておく必要があるわけです(いわゆるロケーション管理、このあたりの話は別ノート参照)。
≪格納ルールの例(使い分けたり掛け合わせたりすることもある)≫
・最終格納ロケーションに格納する
・空きロケーションに格納する
・混載禁止ロケーションに格納する(ロットの逆転を防ぐため)
・重いものを下の棚、軽いものを上の棚に格納する など
また正しく格納するには、上記のルールを作業者へ知らせる仕組みが必要になります。
③格納前の付帯業務
ここでは代表的な付帯業務2つをざっくり説明します。
≪検査≫
輸入品、食品など摂取するもの、肌に塗るもの、工業製品などは、倉庫側で検査を行うことがあります。
入庫までの流れ:入荷⇒仮置き⇒検査ロケーション保管⇒検査実施⇒検査OK品は棚へ入庫
≪流通加工≫
倉庫側で、衣料品のタグ付け、のし付け、販促品を付ける、セット組、袋詰め、検針などの流通加工を行うことがあります。加工前と加工後で、品番が変わることがあるので考慮が必要です。
入庫までの流れ:入荷⇒仮置き⇒加工場⇒加工完了後に棚へ入庫
入庫作業を効率化するには
入庫作業の目的は「入荷した荷物を効率的に正しい場所へ格納すること」であり、つまりは上記①②をいかにして改善するかを考えなければなりません。その改善手段の1つに、WMSなどのシステム導入が挙げられます。
最近の傾向としては、AGV(無人搬送車)、GTP(物流ロボット)、自動フォークリフトを活用する企業が増えてきた印象です。また、倉庫自体を自動倉庫にしたり、区画単位で導入できるオートストアを導入するケースもあります。
≫関連ノート:入荷・入庫の違いとシステム化のポイント~入荷編
≫関連ノート:ロケーション管理の必要性と注意点
≫関連ノート:効果的なロケ管理のツボ①ロケーション属性
≫関連ノート:効果的なロケ管理のツボ②品目属性・ロット
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