SL大学SYSTEMLIFE-UNIVERSITY
SL大学|車建て・スポット配送の業務課題と解決方法
SL大学2023.7.18
こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。
当社のソリューション実例を材料に、配送契約形態の違いと業務課題の解決方法を学びます。
契約形態の違いによる運送業務の違い
別ノートにて、運送会社がどういった仕事の受け方をしているかにより、管理すべき情報や出てくる課題が変わることを説明しました。なかでも「どういう契約で仕事を受けているか」は、システムづくりの方向性を大きく左右します(下記参照)。
≪車建て契約と個建て契約の違い≫
車建て:車輌単位(車輌の積載量やサイズ)でタリフを決定する
個建て:荷物単位(荷物の重さやサイズ)でタリフを決定する
≪スポット配送契約とチャーター配送契約の違い≫
スポット配送:荷主から配送注文がくる都度、空き車輌を見つけて手配する
チャーター配送:荷主専用の車輌を準備し、配送注文が来たらその車輌を手配する
今回は、車建て×スポット配送の業務課題とシステム構築実例を見てみます。
実例で学ぶ、車建て・スポット配送の課題解決
住宅やイベント会場などに建築資材/機材をスポット配送する、運送会社の例です。
車建て・スポット配送の課題:配車ミスや漏れ
この運送会社では、配車業務をExcel台帳を使って行っており、たびたび配車ミス・漏れが発生していました。システム導入前の配送業務フローをざっくり見てみましょう。
【営業マン】見積を作成・提出して、車建て契約(タリフ決定)
………以降デイリー運用………
【営業マン】荷主から、電話やFAXなどで配送依頼(注文)を受ける
【配車マン】Excel配車台帳で上記受注と車輌の割り当てを行い、乗務員に指示する
【乗務員】上記指示どおりに輸配送を実施し、帰庫後に運転日報(売上実績)を作成する
【事務員】上記の売上実績をもとに荷主へ請求する
配車ミスや漏れの原因
車建て/スポット配送を行うこの会社の配車マンが考えなければならないのは、
■ 注文に対してどの車輌を割り当てればよいか
→道路幅を考慮して小型車輌をあてる、荷物の上げ下ろしが必要なのでユニック車をあてるなど
■ 必要な車輌がどの時間帯で空いているか
→車輌ごとの配車状況や時間帯ごとの位置情報、夕積み等で配車制限のある車輌の有無など
などです。複数の注文を同時並行的に捌くことになるので、Excel作業でミスが起きるのは仕方ないと言えば仕方なく、加えて配車担当が車種ごとに分かれていたため全体の空き車輌情報が共有できないのも問題でした。このような背景から、配車ミスや漏れが引き起こされていました。
配車の課題をどう解決したか
この運送会社では、発着地として登録できる住所がない(地図で指定される)注文があったり、夕積みなど配車に制約がかかるパターンがあるなどして、パッケージ導入は難しい状況でした。(そもそも配車業務は会社ごとに個性が出る領域なのでぴったり合うパッケージを探すほうが難しい)
そういうわけで、受注~配車管理の効率化を軸にした運送システムをフルスクラッチで構築。入力した受注伝票ごとに配車画面で車輌を割り当て、未配車の注文を可視化すると同時に、配車ボードで日付/時間帯ごとの車輌の空き状況を一目で捉えられるようにしました。また配車だけでなく実績計上についても受注配車データの確定処理だけで行える仕様とし(金額は運賃マスタで自動計算)、全体的な業務効率化を図りました。
これらの改善施策は、車建て・スポット配送だからこそ成り立つ仕組みであると言えます。
≫関連ノート:個建て・二次輸送の業務課題と解決方法
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