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SL大学|食肉卸の「数量」の捉え方と、システム入力方法

SL大学2023.8.2

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

食肉システムでは、数量を入力する際に「ケース数」+「数量/重量」のような形で2種類の管理単位を用います。どういうことなのかを解説します。

単位の呼称は、商品の荷姿で変わる

数の捉え方は、一般的に荷姿に依存します。段ボール箱であれば「●箱」、サンテナなら「●ケース」といった感じです。

また、より小さな単位(箱やケースの中身)で数を捉えることもあるでしょう。その場合も荷姿に応じて、ブロック肉なら「●本」、パック肉なら「●パック」、袋詰め商品なら「●袋」と呼び名が変わっていきます。(ただし単位の呼称は事業者ごとに異なる)

単価設定の単位

つぎに、単価設定の話をしましょう。売買金額は「単価×数量」で算出します。一般的な商品は、上述の単位に倣って「1箱1,000円」「1パック300円」…と単価を値付けしていきますが、食肉業界はそうではありません。

不定貫品の単価設定単位は、原則「kg」

食肉業界では不定貫品を取り扱うので、「単価」というのは基本的にkg単価です。たとえばある商品を3箱(合計重量50kg)販売する場合、

【単価】1,200円/kg ×【数量】50kg =【金額】60,000円

となります。何箱(あるいは何本、何パック)売ろうが、kg単価である以上は「それが何kgであるか」を捉えなければ売上伝票が作れないのです。

定貫品の単価設定単位は、荷姿の単位になることも

定貫品については、一般的な商品と同じように、荷姿の単位で単価設定可能となります(1箱1,000円、1パック300円など)。箱単価であれば何箱売るか、パック単価であれば何パック売るかで、売上伝票を作成するということです(下記)。

≪商品:国産ポーク脂10kg入り ※箱単価で取引≫
【単価】2,000円/箱 ×【数量】5箱 =【金額】10,000円

ただ、定貫品であってもkg単価を設定している事業者は少なくありません。この場合、1箱(あるいは1本、1パック)の重量は決まっているため、下記のように既定の単重を掛ける形で数量を算出し、売上伝票を作ることになります。

≪商品:国産ポーク脂10kg入り ※kg単価で取引≫
【単価】200円/kg ×【数量】50kg(10kg/箱×5箱)=【金額】10,000円

食肉管理システムにおける単位の持ち方

【おさらい】荷姿の単位と単価設定の単位

そういうわけで、食肉システムでは、荷姿の単位と単価設定の単位を分けて考える必要があります。

■ 荷姿の単位
→見た目の数量を捉えるのに使う。主に物流業務で使う単位(受発注や入出荷・ラベル発行、在庫カウント時に数を指示/確認するなど)
■ 単価設定の単位
→金額計算に必要な数量を捉えるのに使う。食肉業界では重量が基本だが、定貫品については荷姿の単位=単価設定の単位となることも。

システムにはどのように入力すべきか

これをシステムの入力画面に落とし込むと、下記のようになります(入荷入力サンプル)。smartBPCの場合、【ケース数】に荷姿の数を入力し、【数量/重量】に金額計算のための数量を入力する仕様です(その隣の【単位】は単価設定の単位を表す)。

kg単価の定貫品とすべての不定貫品は、【数量/重量】【単位】には必ず「●kg」という情報が入ります。荷姿単位で単価設定している(1袋200円などの)定貫品については、【ケース数】と【数量/重量】には同じ値が入ることになります(「●袋」という情報のみ)。


≫関連ノート:食肉バラ管理のシステム運用まとめ