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SL大学|複合一貫輸送の基礎知識をざっくりと

SL大学2023.8.14

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

複合一貫輸送/モーダルシフトへのシステム対応を考える前に、基礎知識を簡単にまとめます。

複合一貫輸送とは

当社の運送システム開発は、トラック運送を生業とする事業者を対象とすることがほとんどです。いろんな荷主から運送依頼を受け、都合の良い車輌を割り当てながら荷物を目的地まで運びます。こういった事業のことを専門的には「一般貨物自動運送事業」と言います。

ではここで、那覇市→東京都内に荷物を運ぶケースを考えてみましょう。運送経路の例としては、

那覇市内→那覇港:トラック輸送
那覇港→横浜港:フェリー輸送(航送といいます、トラックは陸送)
横浜港→東京都内:トラック輸送

などが考えられます。たいていの場合、トラック業者と船会社は別々です。このように2種類以上の事業者を利用して運送することを、専門用語で「第二種貨物利用運送事業(=複合一貫輸送)」といいます(船のほかに、飛行機や鉄道輸送と組み合わせるケースも)。

近年は、トラックが排出するCO2を減らそう!ということで、幹線輸送には鉄道や船を積極的に活用する動きが出てきています(いわゆるモーダルシフト)。

複合一貫輸送のポイント3つ

①集荷した業者が料金をまとめて徴収する

遠方に荷物を運ぼうとすると、複合一貫輸送になるケースが増えます。では、荷主はトラック業者と船会社それぞれに運送依頼をかけるかというと、そうではありません。

普通は、集荷するトラック業者が最終目的地までの運送を一括で請け負い(料金もまとめて徴収)、トラック業者は港のコンテナヤードまで自社トラックで運んで航送は船舶業者に委託する、というようなことをします。(ちなみに全行程の実輸送を他社委託するのが「利用輸送」)

②ヘッドとシャーシを分けて管理する

これは船舶輸送の話になりますが、トラックからフェリーに荷物を移す際、積み降ろしの手間を省くために一般的にはシャーシごと船に載せます(シャーシが何なのかは調べよう)。そうすると必要になるのが、シャーシの動態管理です。また配車のやり方も少し複雑になり、乗船港までの輸送はヘッド+シャーシ、下船港からの輸送はヘッドのみ手配、というようなパターンがでてきます。

③船会社などへの支払いが発生する

①で説明したとおり、集荷したトラック業者は、最終目的地までの料金を荷主から一括徴収します。幹線輸送で船便を使えば、船会社に対して航送料や乗船/下船時の荷役料などを支払うのは、傭車の原理と同じです。また、②で説明したシャーシについても、乗船港/下船港で必ず自社シャーシが手配できるとは限らないので、他社シャーシを使う場合は傭車として傭車料が発生します。


≫関連ノート:複合一貫輸送のシステム対応のポイント