SL大学SYSTEMLIFE-UNIVERSITY
SL大学|部位×畜種×産地…で個別コード管理するパターン
SL大学2023.8.28
こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。
別ノートにて商品コードの作り方を解説しましたが、食肉業界では別のコード管理方法があるのでまとめます。
部分肉の商品コード管理のポイント
「部位名」だけでは管理として不十分
国産牛を取り扱う食肉卸にとっての「商品」を少し考えてみましょう。部分肉の場合、たとえば
・宮崎産 黒毛和種 まえずね
・黒毛和牛 ブリスケ A4ランク
・北海道産 交雑牛 8分割肩ロース
・佐賀牛 リブロース(冷凍)
のような感じかと思います。部分肉ラベルに商品名称として表示したり、売買の際に「これください」「これはいくらです」という会話をするのは、基本的にこの単位です。「まえずね」とか「肩ロース」とかという部位名だけでは不十分(商品管理できない)、というのがポイントです。
要素の組み合わせが何万通りになるパターン
上記商品名は、いくつかの要素が複合的に組み合わさって成り立っているのがわかります。要素を抽出してみましょう。
・部位(上記の例では「まえずね」「ブリスケ」「肩ロース」部分)
・畜種(上記の例では「黒毛和種」「交雑牛」部分)
・格付(上記の例では「A4ランク」部分)
・形態(上記の例では「冷凍」部分)
・原産地(上記の例では「宮崎産」「北海道産」「佐賀牛」部分)
・規格(上記の例では「8分割」部分)
別ノートでは、1つの商品コードにこれらの要素を組み込む運用を説明しましたが、上記すべての要素を取り扱う場合、組み合わせのパターン(=商品コードの件数)は指数関数的に増えていきます。全国のあらゆる畜種を取り扱うような事業者だと、商品コード件数が数万件になることも考えられ、マスタメンテなどのシステム運用面であまりに非合理です。そこで別の管理方法が取られます。
属性マスタを掛け合わせて1つの商品を作る
弊社が過去に開発・販売していた一次加工卸向けパッケージ「superBPC」を例に解説します。
商品コードには「部位情報」だけを持たせる
商品コードには「部位情報」だけを持たせます(要するに部位コードと同義)。じゃあ残りの畜種や産地情報などはどうするかというと、入出荷の都度、部位コードと一緒にコード指定するのです。入力画面のイメージはこんな感じ↓。
商品属性を別マスタ管理するかどうかの判断
畜種コードや産地コードはそれぞれせいぜい20-30種類なので、マスタ管理が楽になり、新しい組み合わせができたからといって新しく商品コードを採番する必要もありません。その代わり入出荷時に情報登録する手間が発生します。
smartBPC(二次加工卸向けパッケージ)のほうは、別ノート解説のとおり組み合わせパターンごとに商品コードを分ける思想なので、商品マスタでこれらの属性情報を管理し、都度の入力は行わない仕様です。superBPCパターンとsmartBPCパターンのどちらの手法を採用すべきかは、その事業者のコード管理の特性をよく分析したうえで、どちらがより合理的か判断する必要があります。
補足として、「カット規格」を管理する必要がある場合は、商品コード内に情報を持たせるより規格マスタで別管理するのが無難かと思います(superBPCパターン)。特に中小の食肉卸は、得意先の要望に合わせたカット対応が強みであったりするので、得意先が増えたりカット要望が変化する可能性があることを念頭に、管理方法を検討すると良いでしょう。
≫関連ノート:販売管理システムの商品コードの作り方
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