SL大学SYSTEMLIFE-UNIVERSITY
SL大学|適正在庫とは何か
SL大学2023.12.11
こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。
システム導入で適正在庫管理を行うために、必要な知識をまとめます。
在庫数管理の目的=適正在庫の維持
企業は、必要なタイミングで必要な商品を供給して売上/利益を最大化するために、在庫を保有します。在庫は、保有しすぎると現金化できない商品(過剰在庫)が増えて管理コストが増大し、逆に不足状態だと機会損失につながります。そういうわけで、在庫戦略では「適正在庫をどう維持するか」が大きな取り組み課題になります。
適正在庫数の求め方
適正在庫の計算式はいくつかありますが、一般的に利用されることの多いのが次の式です。
適正在庫 = 安全係数 × 過去の出荷量の平均値 ×(発注リードタイム+発注間隔)
簡単に言えば、「1日の平均出荷数 × 発注してから納品までにかかる日数に、少し+αで持っておけば、多すぎることも少なすぎることもないよね」という内容です。納期が3日で、1日平均100個出荷する商品なら、在庫を常に350個くらいキープしておくイメージになります。
ちなみに、350個の状態で発注したとすると、3日後まで在庫が減り続けます。万が一納品遅れが発生すれば、たちまち欠品です。なので通常は「適正在庫数を切ったら在庫不足である」と捉え、別の計算式を使って「発注点」を設定します(※発注点については関連コラム参照)。
補足1:安全係数とは
普通に考えて、1日の平均出荷量は目安でしかなく、実際は予測できない波が発生します。予測できない以上、欠品を100%防ぐことはできないので、その対策として「欠品許容率(5%の場合は、100回のうち5回は欠品してもOKとする)」を設定します。これを計算式用に表しなおした数値が「安全係数」です。(欠品許容率5%の場合、安全係数は1.65)
補足2:平均出荷量の精度を上げるために
上述のとおり、平均出荷量を求めたとしても実際は波が発生します。当然、予測できる波は予め見込んでおくに越したことはありません。具体的には、平均出荷量を3ヶ月平均で算出したり、季節変動(お中元やお歳暮商品など)や月末月初に出荷が増えるような商品については、平均出荷量を前年対比で算出する、月ごとに係数を持つ、といったやり方があります。
≫関連コラム:自動発注の基礎知識と運用の実態|発注点の決め方も解説
≫関連ノート:在庫管理機能を設計するときの注意点まとめ
≫関連ノート:
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