SL大学SYSTEMLIFE-UNIVERSITY
SL大学|トレーラー輸送の受注~配車
SL大学2024.5.14
こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。
一般的な配送管理パッケージでは対応できないことの多いトレーラー輸送の受注~配車機能について、基礎知識&機能作りのポイントを纏めます。
トレーラー輸送の基礎知識
トレーラーってなに
トレーラーは牽引自動車とも呼ばれ、運転席部分(トラクターヘッド)と荷台部分(シャーシ)に分かれているのが特徴です。ヘッドとシャーシは別車輌扱いなので、車のナンバーも異なり、車輌管理もそれぞれ行います(一体型=1車輌扱いのトレーラーもある)。
トレーラー輸送の全体像
たとえば北海道から東京にコンテナ貨物を運ぶ場合、道内はトレーラー輸送し、北海道~東京間は船に乗せ、都内はまたトレーラー輸送、というパターンがそこそこあります(いわゆる複合一貫輸送:詳細は別ノート参照)。「船に乗せ」というのは、コンテナが載ったシャーシごと船に載せるイメージです。航送でわざわざシャーシとコンテナを切り離す(コンテナのみ輸送する)パターンはあまり見かけません。着地港ではトラクターヘッドが港に待機しており、目当てのシャーシを連結して届け先に配送します。
配送後は、新たに荷物を載せて復路輸送を行い(載せるものがなければ空荷)、シャーシを営業所に戻します。※このへんの運行パターンは派生が色々あるので割愛
トレーラー輸送を行う事業者
自社の配送ネットワークに航路が含まれているような複合一貫輸送業者は、シャーシを港に搬入する/港から搬出するというプロセスが必要なため、トレーラー車輌を保有するか、傭車することになります。このときの傭車先は「ドレージ業者(船から降ろしたコンテナごと陸送する業者)」と呼ばれ、複合一貫輸送業者から配送注文をもらってトレーラー輸送を行っています。
トレーラー輸送向けの受注~配車機能とは
受注機能
一般的なトラック業者の受注入力では、集荷/配送の日時や場所、積荷情報、必要な車種、それらに基づく運賃情報などを登録するかと思います。複合一貫輸送業者の場合も基本的には同じですが、集荷~配送の間に幹線輸送(航送や鉄道輸送など)を挟むため、それらをひっくるめて運賃算出等を行わなければなりません。
複合一貫輸送業者から注文をもらってトレーラー輸送を行うドレージ業者の場合は、積荷=シャーシ(またはコンテナ)そのものなので、港への集荷~配送日時と一緒に牽引対象のシャーシ/コンテナ番号が指示されます。
配車機能(複合一貫輸送業者)
一般的なトラック業者の配車入力は、受注に対して空き車輌(または乗務員)を割り当てていくイメージが多いかと思います。複合一貫輸送業者も大まかには同じ流れですが、集荷先でコンテナへの積み込みを行う場合、「どのヘッド/乗務員を割り当てるか」を考える前に、「積荷に対してどのシャーシ/コンテナを使うか」をプランする必要があります。また、復路便を空荷にしないために、「そのシャーシに対してどの受注を割り当てるか」のプランも必要です。このあたりの入力は、「シャーシ配車入力」という形で実装したりします。
これらを行ったうえで、シャーシに対してヘッド/乗務員の割り当て=「ヘッド配車入力」を行います。
配車機能(ドレージ業者)
ドレージ業者は、複合一貫輸送業者から注文を受けてトレーラー輸送を行っています。上述のとおり、複合一貫輸送業者側でシャーシの往路~復路の運行計画がすでにプランニングされているため(ドレージ業者にとっての受注情報)、受注=指示された計画(シャーシ番号や発着地)に対してヘッドを割り当てるという点では、一般的な配車機能の作り方に近いかと思います。
ヘッド台数が限られている小規模なドレージ業者の場合は、手持ちのヘッドと受注(集荷シャーシ/配達シャーシ)を上手い具合にマッチングしていく作業になるため、ヘッドに対してシャーシを割り当てるイメージのほうが良いかもしれません。
≫関連ノート:複合一貫輸送の基礎知識ざっくりと
≫関連ノート:
CATEGORY
ARCHIVE
- TOP
- SL大学