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SL大学SYSTEMLIFE-UNIVERSITY

SL大学|効果的なロケ管理のツボ①ロケーション属性

SL大学2023.6.2

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

WMS構築と同時に良いロケーション管理を運用設計するための、基本的な考え方を3回に分けてまとめます。今回は、ロケーションの作り方とロケーション属性についてです。

ロケーション=住所情報を定義する

ロケーション=在庫の住所。住所を表す要素はだいたい決まっていて、地域、倉庫の建屋/棟、フロア、エリア/ゾーン、棚(列・連・段・間口)の順にスケールダウンしていきます。住所を細分化して表すことで、

・場所が指示されるので、入庫やピッキング作業がスムーズになる
・ピッキング導線が最短になるよう計算したうえで、ピッキングリストを作成できる

などのメリットが生まれます。住所細分化と生産性が完全に比例するわけではありませんが(倉庫ごとに業務要件が違うので)、うまくロケーション管理を行えれば、庫内業務が高速化したり、作業者の経験値に関わらず作業スピードや品質が均一になったりするわけです。

効率的なロケ管理のための「ロケーション属性」

ロケーション管理では「どのロットをどのロケーションに保管するか」を決めますが、ロケーションは当然ランダムに決まるわけではありません。温度帯(常温/冷蔵etc.)のほか、庫内作業効率を上げるために「ここはこの商品群の保管エリアとしよう」的なルールがあり、それに則って決めていきます。このルールを「ロケーション属性」と呼びます。よく使われるロケーション属性は以下のとおり。

属性例①品目分類でのエリア分け

例えばお菓子を取り扱う倉庫であれば、キャンディーエリア/チョコレートエリア/ビスケットエリアのように、品目グループごとに専用ロケーションを用意します。

≪特徴≫
導入効果:同じ品目グループの在庫が1ヵ所に固まるため、作業者が迷いにくくなる
注意点:倉庫が広いと、ピッキングの導線が長くなりがち

属性例②ピッキングエリアとリザーブエリア

在庫量を抑えてコンパクト化したピッキングエリアと、そこに供給する在庫を保管しておくエリアを分けるパターン。バラ出荷が基本の倉庫だと、ピッキングエリア=バラ保管、リザーブエリア=ケース保管になったりします。小売店舗の倉庫では、フロント/バックと呼ばれることも。

≪特徴≫
導入効果:ピッカーの作業導線が短縮され生産性がアップする
注意点:リザーブエリア→ピッキングエリアへの補充作業が必ず発生する

属性例③出荷頻度や出荷先(仕向け先)

出荷頻度の高い商品群を入口付近のエリアに、出荷頻度の低い商品群を倉庫奥に配置します。在庫の出荷先(仕向け先)別にロケーションを振り分けるパターンもあります。

≪特徴≫
導入効果:ピッカーの作業導線が短縮され生産性がアップする
注意点:出荷頻度の高い商品群を見極めるために、出荷データのABC分析等が必要(定期見直しも)

上級編:保管効率が高まるようにロケーションを決める

ある程度の品目属性別のロケーションルールは押さえながら、保管効率アップの取り組みをプラスします。手段はいくつかありますが、よくあるのはフリーロケーション導入、ネステナーや可動棚(スライド式やGTP等のロボット)導入など。

≪特徴≫
導入効果:ピッカーの作業効率だけでなく、保管効率もアップする
注意点:フリーロケーションは商品の保管場所が毎回変わることになるので、作業効率が低下するリスクあり。可動棚を導入する場合は初期コストがネックになることも多い。


≫関連ノート:ロケーション管理の必要性と注意点
≫関連ノート:効果的なロケ管理のツボ②品目属性・ロット