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SL大学|ロケーション管理の必要性と注意点

SL大学2023.6.14

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

WMS構築と同時に良いロケーション管理を運用設計するための、基本的な考え方を3回に分けてまとめます。今回は、ロケーション管理の必要性と注意点についてです。

ロケーション管理しないと何が起こるのか

ロケーション管理が不十分だと庫内でどんな問題が起こるのか、考えてみましょう。

・在庫をどこでどう保管するかの判断が作業者に委ねられ、生産性や品質が人の経験値に依存する
・同じ品目グループなのに保管場所が離れたりするので、ピッキングに時間がかかる
・同じ保管場所に良品/不良品が混在し、誤って不良品を出荷してしまう
・先入先出が徹底できず、下段や奥の方に滞留しっぱなしの在庫が発生してしまう など

ロケーション管理のツボ2つ

ロケーション管理とは、端的にいえば「どの在庫をどの住所に住まわせるか」を考えること。この部分の運用設計が、庫内の生産性をそこそこ左右します。

「どの在庫」というのは、通常、在庫品目の属性でグループ分けした「ロット」という単位を使います(品目属性とロットについては別ノート参照)。「どの住所」がいわゆるロケーションを指し、ロケーションにも一定の運用ルール=属性を設けたうえで在庫の居住地を決定します(ロケーション属性と住所の作り方については別ノート参照)。

「どの在庫をどこに住まわせるか」は言い換えれば、品目属性とロケーション属性を適切に設定して、効率的なマッチングパターンを考えること、とも言えそうです。なお属性情報は一目ではわかりづらいので、実務では在庫ラベルや紙・看板などを使って運用していくことになります。

ロケ管理の設計は、まず分析を行ってから

在庫の先入先出が改善課題であるなら、確かにロケーション管理の適正化で解決できることもありますが、その問題が本当に在庫の保管方法に起因しているのかどうかはきちんと見極めなければなりません。先入先出が徹底できない理由は様々で、例えばケース出荷とバラ出荷が混在する倉庫では、どうしてもバラ在庫のほうが滞留しやすくなります。

業務の属人化を解消しようと品目属性やロケーション属性を設定し直すにしても、あまりに属性を細分化しすぎると荷役の単位がどんどん小さくなり、棚移動などで手間が増えることも起こり得ます。ロケーション管理は、倉庫業務の要件に応じて目指すべき姿が異なる点に注意しておきましょう。


≫関連ノート:効果的なロケ管理のツボ①ロケーション属性
≫関連ノート:効果的なロケ管理のツボ②品目属性・ロット