092-771-5176

SL大学SYSTEMLIFE-UNIVERSITY

SL大学|運送会社の経営者が知りたい数字①車輌別収支

SL大学2023.11.15

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

運送会社の経営者が、のどから手が出るほど欲しい実績数値を解説するシリーズ。

車輌別収支とは

車輌は保有するだけでコストがかかるので、経営者は「その車輌が利益を生み出せているかどうか」を気にします。それによって、荷主と価格交渉をするなどの収益改善を図ります。

そしてここで言う「利益」は、粗利ではなく営業利益レベルを指します。

なぜ営業利益レベルなのかというと、運送会社にとっての原価は基本的に経費だからです。本来は販管費扱いである経費を含めないと原価と利益が捉えられないため、車輌別売上に対して「車輌別原価」という位置づけで経費管理します。車輌別原価に含めることが多い経費は以下のとおり。

■運行三費(燃油費、修理費、タイヤチューブ費)※+通行料(有料道路代)で四費とすることも
■車両費(減価償却費やリース料、自動車税など)
■保険料(自賠責保険や対人・対物保険など)
■人件費(給与、賞与など)
■その他の諸経費(シート・ロープ、フェリー料金など)

上記は販管費の一部であり、ほかに販管費に含まれるような費目(施設費や福利厚生費など)も含め、どこまで車輌別原価に算入させるかは「求める損益把握の精度」によります。

車輌別収支管理で気を付けるポイント

中継が発生した場合

車輌別の売上と原価は、車輌1台で運行するのであれば配車実績等から簡単に算出できますが、たとえば中継が発生する(複数車輌で運行する)場合は売上を按分する必要が出てきます。一般的なのは、実際の走行距離に応じて按分するやり方です。※事業者によるので最初に計算方法を定義する

どこまでを管理項目とするか

経費とされる項目は多くあり、管理対象の項目が増えるほど車両別収支の精度は上がります(損益計算書の営業利益に限りなく近づく)。ただし、項目によっては値の算出が難しいものもあり、機能は作ったものの運用しきれないということもありえます。計算方法の手間も加味したうえで管理項目を決めなければなりません。

ポイント経費①人件費
実際に運行を行ったドライバーの給与を用いるのか、みなしの給与情報を使用するのかで作りが変わってきます。

ポイント経費②変動費
燃料や有料道路代などの運行経費は、デジタコ連動で自動取得できる場合があります。


≫関連コラム:車輌原価管理の基本|原価管理の方法を3つのポイントで解説
≫関連ノート:運送会社の経営者が知りたい数字②実車率/積載率