こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。
RFIDタグの導入検討に必要な知識を纏めるシリーズ。ここではRFIDタグデータの基礎知識を纏めます。
RFIDタグに持たせるデータとは
RFIDタグは個体管理ができる
RFIDタグは、シリアルNoを埋め込んだ状態で使用することが多いです(※購入時点ですでに埋め込まれていたりする)。これはバーコード在庫管理でもたまに採用される「個体(シリアル)管理」と同じ状態で、シリアルNoをリーダー側で読み取り、DB側でシリアルNoと在庫情報を紐づけて管理するやり方が一般的かと思います。
バーコード運用におけるシリアル管理はラベル貼付やスキャンの手間が問題になりがちですが、RFIDの場合は一括スキャンができるので、スキャンの手数を減らせるメリットがあります。
RFIDタグに書き込めるデータ
RFIDタグの書き込み領域は、シリアルNo含め最大24桁(98ビット)または32桁(128ビット)です。桁数は必ず4の倍数にしておく必要があります。バーコード運用を行う物流現場ではよくバーコードに指示Noや商品コードを埋め込んだりしますが、RFIDタグについても上記ルールの範囲内であれば、同じように商品コードなどを埋め込む運用が可能となっています。
RFIDタグはデータの書き換えも可能
RFIDタグの特徴の1つとして、「タグデータを書き換えできる」点が挙げられます。この点についてまずバーコード運用を整理すると、バーコードに埋め込んだデータ(指示Noや商品コードなど)を変えたい場合、バーコードシンボル自体を変える=印刷し直さなければなりません。しかしRFIDはシンボル処理ではなく電波でタグデータを読み取ります。たとえばRFIDタグにシリアルNoと日付を書き込んでいる場合、装着したタグを変えることなく日付情報だけ上書く、といった運用も可能なわけです。(シンボル処理ではないので傷や汚れが影響しないのもメリット)
RFIDタグへのデータの書き込み方
いまのところ当社の開発事例で取り扱ったことのあるRFIDタグは、リネン類などにアイロンをあてて圧着させるタイプや、専用ラベラーから都度RFIDラベルを発行するタイプです。
ラベラーから都度RFIDラベル発行する運用の場合はシステム側で指示したデータをラベラーがタグに書き込んでくれますが、そうでないRFIDタグを採用した場合、タグにデータを書き込む手段はリーダー端末しかありません。そうなるとタグ1つ1つにそれぞれ付与したいデータを書き込まなければならず、現実的にそれができるのかという話になり、結局冒頭に挙げたシリアルNoのみを読み取ってDB側で紐づける手法に落ち着きがちなようです。
ちなみにRFIDタグをスキャンする端末は書き込み処理も行えることから「リーダーライター端末」とも呼ばれます。
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