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2025.06.26

技術ノート

SL大学|オンプレサーバー導入時の注意点(初心者向けまとめ)

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

オンプレサーバーを導入するときの注意点を、初心者向けにまとめるシリーズ。今回は導入時の注意点をまとめます。

サーバー管理ツール

サーバーランプが警告色になっている場合、原因を調査して、しかるべき対応をとる必要があります。サーバーの前面ランプで警告(通常は緑、警告はオレンジ)が出るのは、ハードウェア的な障害が発生していることが多いです。Windows上のイベントビューアなどを見ても原因が特定できないため、現地に行って本体を見ないと詳しいことが分からない、という状況に陥ります。

そうならないよう、サーバーにはメーカー各社から出ている管理ツールを予め導入しておきましょう。管理ツールでは、サーバーのバッテリやファンの状態、RAID構成したHDDのうちどれが壊れたかなどがダッシュボード形式で確認できるようになっています。

【メーカーごとの管理ツール】
・DELL :IDrac または OMSA(OpenManage Server Administrator)
・HPE  :IML(Integrated Managemant Log)
・富士通 :Software ServerView Suite

ちなみにDELLサーバーの「IDrac」は物理的な機械で動いており、サーバー内部に標準で格納されているのですが、独立した機械なのでIDracにIPを割り振らないとサーバー本体からIDracにアクセスできません。サーバーに管理ツールを導入して現地に設置後は、必ず管理ツールが見れることまで確認する必要があります。(独立している分、サーバー本体がダメになってもIDracだけ生きていたりする)

Windows Serverバックアップ

Windows Serverは標準でバックアップ機能(OSイメージバックアップ)が搭載されており、この機能を利用することで、OSが起動しないときにバックアップの復元元として指定可能となっています。設定例としては、タスクスケジューラにて毎週●曜の夜間にWindows Serverバックアップを実施し、バックアップ先はサーバーに接続した外付けHDDにするなどです(内臓ディスクにすると取り出せない恐れがあるため)。

バックアップする内容は、その外付けHDDの容量が大きければ数世代分をすべて(Cドラ、Dドラ、システム状態など丸っと)対象にしても良いでしょう。有事の際にとりあえずOSが復旧できれば良しとする場合は、Cドライブやベアメタル領域・システム状態をバックアップしておけば、戻せる可能性があります。システムのDBについてはSQL Server機能でバックアップをとることも多いので(外付けHDD)、その場合はOS部分だけをWindows Serverバックアップの対象とします。

その他の注意点

保守で必要になる情報を控えておく

サーバーのトラブル等で、メーカーに問合わせをする際には、シリアル番号などが必要となります。納品したサーバーのシリアル番号は控えておき、すぐに問い合わせ出来るようにしておく必要があります(DELLの場合は「サービスタグ」と「エキスプレスサービスコード」など)。また、何をインストールしているのか、タスクスケジューラには何を設定しているのかなど、「サーバーパラメータシート(サーバー設定を記したドキュメント)」をExcelなどで作成しておくことも超重要。

ライセンスは忘れずに購入を

サーバーは他端末からアクセスして使用するため、「サーバーに接続するためのライセンス(CAL)」が必要になります(クライアント数またはデバイス数のどちらかでカウント)。DBサーバーの場合はさらにSQL Serverのサーバーライセンス(サーバー単位またはコア数)が別途必要です。ライセンスを購入したからと言って何か設定が必要なわけではなく、購入したことを証明する証書を受け取って保管するだけなのですが、しれっと買わずにいるとライセンス違反になり、Microsoftなどから連絡が来ることがあります。

尚、ライセンスの考え方は時代と共に変化します。最近だと、ハイパーV(仮想化)が出てきたタイミングや、CPUが複数コアになったタイミングで考え方が変わったので、技術変化に合わせてライセンスの考え方が変わる傾向にあります。

旧サーバーの廃棄

メーカー保守切れなどでサーバーをリプレイスする際に旧サーバーを廃棄する場合、メーカーや自治体で引き取って処分できるケースもあるので確認しましょう。その際には旧サーバーがどのように購入されたのか、確認してから対応しないとトラブルになります。お客様が購入された場合は所有権はお客様ですが、リース契約で購入されている場合、所有権はリース会社にあるため、リースアップするとリース会社に返却しなければならず勝手に処分はできません。


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