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2026.02.16

運送業界向け

物流業界向け

SL大学|WMSのマスタ管理~運送機能編

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

WMSのマスタ管理をまとめるシリーズ。

運賃計算の基礎知識をおさらい

車建て運賃と個建て運賃

別ノートでまとめたとおり、運賃の決め方は大きく分けると「車建て運賃(車輌ベース)」と「個建て運賃(荷量ベース)」の2種類あります。車建て or 個建ては「どういう契約で配送の仕事を受けるか」の話であるため、基本的に荷主単位で決まっていきます。

WMSの運送機能を学ぶにあたり、「個建て」について少し掘り下げておきましょう。荷量ベースなので、個建てで運賃を計算するには「何個運んだか」の実績情報が必要です。運ぶモノによっては、荷物の個数ではなく「何kg運んだか(重量)」「何才運んだか(容積)」で運賃設定することもあります。これらも「何を基準に運賃計算を行い請求するか」の話なので、荷主単位で決まるのが一般的。

数量×単価=金額

別ノートでまとめたとおり、料金計算の公式は「数量×単価=金額」です。そして、運送業界における「単価」は距離に応じて変わります。個建てであれば、「荷物1箱運ぶ場合、東京から北海道までの(=距離)単価は●円」と単価設定し、「実際に運んだ個数×距離単価」で運賃計算する流れです。毎回同じルートを運行するコース配送であれば、距離単価の代わりにコース単価を設定することになります。

車建て運賃のほうは、「4トン車を貸切ると単価●円」という決め方なので、実際に運んだ荷量は関係ありません。荷主との契約次第で、1回の単価を設定して「実績回数×単価」とすることもあれば、「1カ月単価●円」で月次請求することもあります。(距離ごとに単価設定している場合もある)

WMSで運賃計算~請求するためのマスタ(一例)

個建て運賃か、車建て運賃か

個建て(荷量運賃)の運賃計算機能を実装する場合、上述のとおり「個数」「重量」「容積」のどれを基準に運賃計算を行うかのマスタ制御が必要です。このあたりは契約に準拠する話なので「荷主マスタ」に持たせるのが一般的かと思います。

車建て運賃についても、荷主単位で「荷量に関わらず1カ月間の車輌チャーターとしましょう」などと決まっていくので、「チャーター」や「月極」などの情報を荷主マスタに持たせます。これにより荷量実績で売上/請求データを作る流れ(個建て運賃)とシステムフローを分岐させるイメージです。

発着地ごとの距離単価か、コース単価か

運送実績データの発着地コード(距離)をもとに運賃計算する場合、発地コード × 着地コードの組み合わせごとに運賃単価テーブル(※場合により個建て単価・重量建て単価など複数)を作る必要があります。発着地の定義や距離単価は荷主ごとに使い分けるパターンが多いので、WMSには「荷主別単価(運賃)マスタ」として実装することになります。

ちなみに着地コードは地域ごとに設定するイメージなので、納品先マスタに着地コードを持たせおいて、運送実績の納品先コードから着地コードをセットする流れです。

コース単価の設定がある場合は、「コースマスタ」を設けてコースごとの運賃単価テーブル(※場合により個建て単価・重量建て単価など複数)を作ります。尚、「あるコースの配送は傭車している」という業務要件があれば、請求単価だけでなく下払単価まで設定できるようにしておくと、運送実績データをもとに下払管理(支払予定表など)が行えるようになります。

自社便か、傭車便か

傭車を使っている場合は、便名マスタを設けて自社便 or 傭車便を判別し、運送実績データで設定された運送便を見てシステムフローを分岐させます。なので、上述したコースマスタで下払単価まで設定する際は、設定項目として便名が必要です。

運送実績データの発着地コード(距離)をもとに下払運賃を計算する場合、発地コード × 着地コードの組み合わせごとに運賃単価テーブル(※場合により個建て単価・重量建て単価など複数)を作り、WMSには「傭車先別単価(運賃)マスタ」として実装します。(考え方は荷主別単価マスタと同じ)

チャーターや月極運賃の入力方法(一例)

先述のとおり、荷主マスタで運賃決定方法を制御するので、その運送実績データの荷主コードが「チャーター(貸切)」や「月極」の荷主であれば、荷量ベースの運賃計算を行わないシステムフローとなります。

ではどこで運賃データを入力するかですが、長期契約で毎月必ず発生する月極運賃などは「荷主マスタ」または「固定料金マスタ」などを別途設けて荷主ごとに設定可能にしておき、毎月の入力作業を省力化するのがベストです。スポットでチャーター配送する場合は、運送実績入力で運賃を直接入力する運用で十分かと思います。


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