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2025.10.10

運送業界向け

SL大学|容積換算重量の基礎知識

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

料金計算で重量を取り扱う際に必要になる「容積換算重量」について、基礎知識をまとめます。

同じ容積でも、軽い荷物と重い荷物がある

たとえば、別ノート(個建ての料金計算)で例としてあげた物流倉庫Aから配送センターBへ荷物を運ぶ定期仕事で、「1㎏あたり50円」と単価設定したとします。仮にトラックに隙間なく段ボールを積み込んだ場合、中身が缶ビールであれば(重いので)配送料金は高く、ポテトチップスであれば(軽いので)配送料金が安い、ということが起こります。

しかし運送会社にすれば、缶ビールを運ぼうがポテトチップスを運ぼうが、トラック1台を運行するコストは変わりません。この商売の矛盾を解消するために使われるのが、「容積換算重量」です。

容積換算重量の基礎知識

容積換算重量の計算方法

トラック輸送における容積換算重量(kg)の公式は「縦(m)×横(m)×高さ(m)×280」で、1立方メートルなら280kgです。「280」という値が換算係数を指しており、これも絶対値というわけではなく、運ぶ荷物の内容によって取引者間で柔軟に設定するなど融通を聞かせているようです。

ちなみにトラック輸送における、と但し書きしたのは、換算係数が航空輸送や海上輸送では異なるため。

容積換算重量の計算方法

とりあえず上述した例と公式を使って、実際に容積換算重量の計算をしてみます。※箱サイズ等はネット引用したアバウト値

■缶ビール1箱(350ml×24本、実重8~9kg程度)
0.4(40cm)×0.28(28cm)×0.13(13cm)×280 = 容積換算重量は約4kg
■ポテトチップス1箱(60g×12袋、実重1~2kg程度)
0.45(45cm)×0.24(24cm)×0.28(28cm)×280 = 容積換算重量は約8kg

缶ビールは実重量のほうが重く、ポテトチップスは容積換算重量のほうが重いことが分かります。

料金計算における、“重量勝ち” と “容積勝ち”

料金計算の公式は「単価×数量」なので、今回の例では「金額=単価50円×●kg」です。そしてこの「●kg」の部分、実重量を使うこともあれば、容積換算重量を使うこともあり、業界内では前者は「重量勝ち」、後者は「容積勝ち」という表現をされます。今回の例であれば、缶ビールは重量勝ち、ポテトチップスは容積勝ち、として取引する運送会社がほとんどかと思います。(これにより冒頭に挙げた商売の矛盾が解消される)

業界スタンダードな容積の単位「才数」

このように物流業界では、荷物の個数・重量だけでなく容積まで考慮したうえで、料金計算や準備するトラック・コンテナ台数を決めなければなりません。なので、業界内では「才数」という単位を使って容積の伝達が行われています。

「1才」は、1辺が30.3cm(=1尺)の立方体を表し、容積換算重量にすると約8kgです。実務では、「2tトラックは約500才」などの目安をもって配車する車種の選定を行ったり、「この荷物なら1才=●kg」と予め取り決めたうえで重量単価で単価設定したりします。


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