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SL大学|食肉加工品・パック肉の工場に必要なシステム

SL大学2023.5.25

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

smartBPCの標準機能では運用がフィットしづらいのが、食肉加工品とパック肉の製造工場。それぞれの加工の特徴と必要なシステムを整理します。

食肉加工品の製造工場

ここでいう食肉加工品とは、食肉を主原料とした加工食品、ハム・ソーセージやレトルト商品などを指します。

どんな加工を行っているのか?

例として、レトルトハンバーグを作る際の、原材料と製造工程を考えてみましょう。

原材料:【主原料】牛肉、豚肉 【副原料】卵、パン粉、塩コショウ、油など
工程 :①牛・豚肉をミンチ加工→②卵やパン粉を混ぜて整形→③焼く→④真空パック詰め

ブロック肉をカットするだけの加工と比べ、原材料や工程が複雑になることがわかります。ハム製造などはさらに複雑で、カット加工→塩漬け→充填→燻製→冷却→包装と、1品目を生産するだけで数日かかることになります。

必要とする加工場システムは?

原料構成が複雑になると必要になるのが、配合等の規格化や原料使用量を算出するためのレシピ管理です(これをベースに製造原価を見積もって売価を決定したり、商品企画書を起こして小売業者に新商品の営業をかけたりする)。また工程=製造ラインが複数あるので、ラインごとの製造指示と実績管理も必要になります。

この機能を持つのが、いわゆる「生産管理システム」。レシピ管理はもちろん、工程ごとの詳細な実績データ(歩留まり、人件費などの間接費など)まで取ろうと思えば取れます。ただし、データを取る作業には基本的に管理コストが伴います(製造日報もその一つ。ハム・ソーセージ製造など1品目を数日かけて作るケースでは、仕掛品の端材計量や在庫管理まで行うことも…)。よほど生産現場の管理基準が高く、管理工数を割く前提の加工場でないと運用が追い付かないことがほとんどです。

パック肉の製造工場(パックセンター)

スーパーの精肉売り場に陳列されているパック肉を製造する工場。以前は各店舗でインストア加工していましたが、まとめて製造して各店舗に配送するスタイルが主流に。その製造を請け負う工場(中小の食肉卸が事業の1つとして担うことも多い)を、一般的に「パックセンター(PC)」と呼びます。

どんな作業内容なのか?

PCはパック肉製造なので原材料や工程自体はシンプルですが、その前後の流れが特徴的です。例として、ある小売が「豚バラスライス250g」を500パック(20店舗分)の製造発注を行ったとします。

受注  :小売本部から製造注文情報を受信(EDI)
製造指示:原料(豚バラ150kg)→製品(豚バラスライス250g x500個)の製造計画作成
工程  :原料をカット加工→パック詰めして商品完成(自動包装値付け機を使うことが多い)
出荷  :完成品を店舗別コンテナに格納して出荷し、小売本部に出荷実績を送信(EDI)

ただのカット加工に比べると、EDIによる注文・実績データのやり取りや、店舗別仕分けなどの要素が入ってきて多少複雑になるのがわかります。

必要とする加工場システムは?

原料と製品(カット規格)を指示して実績を取るプロセスは、smartBPCで採用している加工管理機能がそのまま当てはまります。システム構築のポイントとしては、加工指示の元データが得意先からのEOS情報となり、そこに出来高(出荷)情報を追加するかたちで得意先にEDIで返す、という処理が加わることです(まあ、だいたい)。さらに、同じデータからCS伝票を発行します(まあ、だいたい)。

また得意先が大手小売の場合、EOS情報のなかには、納品店舗情報と、店舗別の納品個数情報まで含まれています。店舗別にコンテナ仕分けした状態で出荷することが求められるので、加工指示と一緒に店舗荷札や仕分けリストを出力する必要があります。


≫関連ノート:加工管理システム構築のポイント
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