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SL大学SYSTEMLIFE-UNIVERSITY

SL大学|棚卸方法まとめ

SL大学2023.11.7

こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。

システムライフ大学

棚卸の目的は別ノートに纏めたとおり。このノートでは棚卸の方法論について纏めます。

タイミング:一斉棚卸 or 循環棚卸

一斉棚卸とは

在庫変動が起きる業務(入出庫やロケ移動)を停止し、庫内の全在庫を数えます。1回の実棚量が多く時間がかかるので、在庫資産を正確に把握したいとき(主に四半期/決算期)に行われます。

【メリット】棚卸作業中に在庫変動が起きないため、実棚精度が高い
【デメリット】入出荷などの通常業務を停止するため時間の制約が発生(長引くほど業務に影響)

循環棚卸とは

在庫変動が起きる業務(入出庫やロケ移動)と並行して、庫内の在庫を順繰り数えます(このため在庫の区分けが必要)。少しずつ実棚を取るので、1巡するのに数日かかることもあります。

【主な在庫の区分け方法】
1)ロケーションで区分け…棚卸計画が立てやすい(順繰りしやすい)
2)商品カテゴリで区分け…入出荷が発生する曜日/時間帯がカテゴリごとに決まっている場合に有効
3)入出荷等の発生有無で区分け:在庫変動が起きたロケのみ確認することで棚卸時間が減らせる

【メリット】
・入出庫などの通常業務を停止する必要がない
・一斉棚卸のような時間の制約が少なく、無理のない人員で作業可能
・定期的に行うことで、在庫差異を早期発見・差異原因の調査がしやすい(該当在庫を触った人の記憶が新しいため聞き取り調査しやすい)
【デメリット】
・数日かけて棚卸する場合、期間が空いた棚ほど在庫が正確でない可能性あり
・棚卸作業中も在庫が動くため、動いた箇所だけ再度実棚する場合あり(妥協する場合もあるよ)

作業方法:リスト棚卸 or ハンディ棚卸

リスト棚卸とは

WMSの在庫データをリスト出力し、実棚数量を書き込んで(またはハンディ入力して)比較する方法です。出力したリストに在庫数量を表示しないケースもあります(表示すると実在庫数量との一致確認だけなので作業効率は良いが、同じ数を転記するだけの不適切な作業が行われる恐れあり)。

実在庫が帳簿通りに存在しているかを確認するイメージなので、たとえばデータ上に無いロケーションに在庫があると、実棚が漏れるリスクがあります。またリストの出し方も重要で、ネステナーでパレットを積み上げ保管している高い場所はリフトマンしか作業できないため、ロケーション別にリストを出し分けるなどの工夫が必要です。

ハンディ棚卸とは

リストを持たず、庫内を順に回ってハンディで商品バーコードスキャン→在庫数を入力する方法です。リスト棚卸と違って、データ上在庫が無いロケーションも回ることになるので実棚漏れなどのミスは減りますが、そのぶん時間もかかります。

自動倉庫の棚卸はどうする

AGV等が動いている自動倉庫の場合、どのような方法で棚卸するかシステム設計段階で考える必要があります。

①AGVが棚を持って動き回る為、棚を探す必要がある
②棚が近くで重なり合い、人が入る隙間が無く在庫を数えられない→ AGV呼び出し機能を作る
③WCS側も在庫データを持っている→ 棚卸結果をWCS側に反映する機能を作る


≫関連ノート:入出荷日基準の棚卸表と、仕入売上日基準の棚卸表
≫関連ノート:「在庫があわない問題」に対処するには
≫関連ノート:棚卸差異の発生要因と対応策