SL大学SYSTEMLIFE-UNIVERSITY
SL大学|TCセンター業務のシステム化のポイント
SL大学2023.11.21
こんにちは、システムライフ(SL)大学です。SL大学とは2022年に立ち上がった社内教育機関で、毎月勉強会を開催しています。その一部を学習ノートとして公開いたします。
TCセンター業務について改めて整理し、システム化のポイントを纏めます。
おさらい:TC業務の特徴
TC業務の特徴については別ノートに纏めたとおりですが、一応簡単におさらいします。
TC(通過型センター)とは
▪ TCとは、モノを在庫しない(入荷してすぐに出荷する)倉庫のこと
▪ TCには、1型と2型がある↓
≫ TC1型:
【入荷】店舗別に商品梱包された状態(段ボール・コンテナ・カゴ車など)で入荷
【出荷】輸送グループごとに荷揃えして出荷
≫ TC2型:
【入荷】各メーカーや卸から、商品単位で総量入荷
【出荷】納品先別(店別、トラック方面別)に仕分けをし、輸送グループごとに荷揃えして出荷
DC(在庫型センター)との違い
モノを在庫するDCとモノを在庫しないTCでは、以下のとおり入出荷業務の流れが異なります。
DC:入荷 → 入庫 →(在庫)→ 出庫 → 仕分 → 出荷
TC:入荷 → 仕分 → 出荷
また、入出荷業務で必要となる入荷予定/出荷予定データの受け取り方にも違いがあります。
DC:入荷予定と出荷予定を別々に受け取る(入荷と出荷が切り分けられているので)
TC:出荷予定=入荷予定とする場合あり(入荷したら在庫せずに全て出荷する想定なので)
TCのシステム化のポイント
TCは物流の最終段階で多く登場します。TCで業務が滞るといくら上流過程を効率化しても無駄になってしまうため、流れを詰まらせることなく作業を進めることが求められます。
入荷機能
TC倉庫では入荷したモノをすぐに全量出荷するため、入荷検品を省く場合があります。この場合、入荷予定数と実際の入荷数の差異は、仕分けや荷揃えで発覚します。入荷差異が頻発する場合は、入荷検品を導入して差異を早期発見する、もしくは差異がどこで生じているのか原因調査のため作業の見える化をするなどすれば、作業の精度向上を図ることができます。
仕分け機能
TC 2型のセンターの場合、入荷した商品を納品先別(店別、トラック方面別)に仕分けます。ポイントとしては以下のとおり。
■商品の不足・余剰の対応
入荷検品をしない場合は、仕分け時に不足/余剰が判明します。特に不足時は対応を決めかねると作業停滞の原因になりえるので、あらかじめ明確なルールを決めてシステムに組み込むことで、円滑な対応ができます。ここでは、商品が不足した場合の対応を「欠品として出荷先に按分する」として、システムに組み込む際のルールの例をご紹介します。
≪欠品按分のルール例≫
・優先して出荷する出荷先をマスタ化しておく
・出荷量によって優先順位を決定する
・出荷先が自社の店舗の場合:店舗の売り上げで優先順位を決定する
ルール設定によっては毎回同じ出荷先が欠品してしまうので、前回欠品した出荷先は欠品させない、欠品を按分した後に作業者が手入力で調節できるシステムにする、など工夫が必要です。
■商品の仕分け精度の向上
仕分を人手で行う現場では、規格違いの同一商品の取り間違いなどで仕分ミスが発生する可能性があります。このミスを防ぐ仕組みをDCの場合と比較してみます。
【DCの場合】取り間違いやすい商品は在庫場所を離すなど工夫し、出庫時点でミスを防止する
【TCの場合】DCと違い、入荷したものをそのまま仕分けるため、入荷後の商品の置き方を運用で工夫する、仕分時の商品チェック機能を設ける、などしてミスを防止する
出荷機能
出荷検品を行うことで出荷精度を高められますが、手間とコストがかかるため、仕分け=出荷検品とする現場も多くあります。その場合も、要所を押さえることで時間をかけずに効果的にミスを防ぐことができます。
【積み込み前検品】カゴ車やパレットに積み付けた梱包が正しいかチェック
【積み込み検品】トラックに積み込むオリコン・カゴ車・パレットの総数が正しいかチェック
店頭での棚出しや納入場所の都合上、納品先から商品分類別の梱包を指定される場合もあります。分類の決め方は企業ごとに異なるため、作業者の経験や記憶に頼らない仕組み作りが重要です。
TCはモノの動きが単純なため、ロボットなどのマテハン機器を導入しやすいです。業務の中にマテハン機器を導入することも、効率化を実現する上では効果的かと思います。
≫関連ノート:物流センターの分類と業務的特徴~TC編
≫関連ノート:入荷・入庫の違いとシステム化のポイント~入荷編
≫関連ノート:入荷・入庫の違いとシステム化のポイント~入庫編
≫関連ノート:出庫・出荷の違いとシステム化のポイント~出庫編
≫関連ノート:出庫・出荷の違いとシステム化のポイント~出荷編
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