食肉や魚などの不定貫商品は個体ごとに形状や重量が異なる特性上、受発注業務や在庫管理をアナログな方法で行う企業様が少なくありません。作業は煩雑になり、事務の合理化は難しいとお悩みの方も多いかと思います。不定貫取引の現場で最適な販売・在庫管理を実現していただけるよう、この記事では不定貫管理で発生しやすい3つの課題と解決策をご紹介します。
目次
不定貫商品の管理が難しい理由
不定貫商品の管理が難しい理由は複数あります。
・同じ品目でも荷姿や重量が異なる
・JANコードのような共通管理コードの普及が限定的
・小売／量販店など、取引先ごとに納品条件が異なる
さまざまな要因が絡み合い不定貫取引の管理を複雑にしているのが現状です。結果として電話やFAXなどアナログな方法で受発注処理を行うケースが多く、管理上様々な問題に繋がっています。
不定貫商品の現場で発生する管理上の問題
不定貫商品を扱う現場では、販売・在庫管理時にどのような課題が発生しやすいのでしょうか。
受注入力作業で人的ミス、属人化が生じる
不定貫取引では、重量伝達や注文品の規格多様化のため、電話やFAX、メールを介した注文が主流です。これにより、大量の受注情報を手集計する必要が生じ、転記ミスや発注・指示漏れなどの人的ミスの原因となっています。
また、受注入力作業には属人化の傾向も見られます。特定の従業員のスキルや知識に依存することは企業にとって大きなリスクとなるでしょう。人的ミスと属人化の問題は、注文品の誤製造や配送ミスといったトラブル、生産性の低下や顧客サービスの品質低下に繋がることも考えられます
出荷作業に時間がかかる
不定貫取引では、出荷時に重量と取引金額が確定するまで納品書を作成できず、販売管理と在庫管理の事務処理にタイムラグが発生します。また、出荷時にはそれぞれの商品重量を確認し、個数と総重量を取引先ごとに入力・手書きする必要があります。これにより出荷作業が複雑化し、大変な労力と時間がかかることになります。
実在庫と帳簿在庫に誤差が発生する
現場ではモノと伝票の動きが一致しないこともよくあります。不定貫商品は納品書の手配に手間がかかるため、伝票発行前に商品だけが先に出荷されるケースが多いからです。
さらに、重量登録が大変であることから、システム入力が後追いになる傾向があります。結果、実際の現場の動きとシステム情報の整合性が取れなくなり、在庫管理の精度低下に繋がっているのです。
不定貫対応の販売・在庫管理システムがおすすめ
不定貫商品の管理上の課題を解決するためには、不定貫対応の販売・在庫管理システムを導入することが有効です。不定貫対応のシステムは、伝票入力時に数量と重量をそれぞれ入力できるなど、不定貫商品の特性を踏まえて開発されており、煩雑な伝票入力や出荷作業の効率化を図ることができます。
さらに、ハンディ検品やバーコード管理を一緒に導入することで、ヒューマンエラーの防止や作業の省力化、属人化の解消にも繋がります。
不定貫対応の販売・在庫管理システムでできること
不定貫商品の運用現場が直面する課題は複数ありますが、自社に合った不定貫対応のシステムを活用することで課題の解決に繋がります。ここでは、不定貫対応の販売・在庫管理システムでできることを３つご紹介します。
ケース数と重量で商品管理
ケース数と重量の２つの単位で管理する必要がある商品は、それぞれで値を入力できます。例えば、受注で３ケース注文を受けたら、３ケースで出荷指示をかけておき、出荷画面で確定重量を登録する運用が可能です。受注単位（ケース数）と出荷・売上単位（重量）を使い分けることができるため、受注処理作業も効率化しやすくなります。注文履歴参照機能などを活用すれば標準化がさらに進み、業務効率アップが期待できます。
出荷作業の効率化
不定貫対応の販売・在庫管理システムでは出荷作業の効率化も実現できます。入荷時に自社管理ラベルを貼付し、ハンディ端末を使って検品を行うことで、システム上で在庫状態をもれなく見える化。
また商品の出来高・出荷重量を加工場や出荷現場で登録することで、個別確認作業を省略することが可能です。荷揃えの進捗と出荷重量をリアルタイムに把握できるため、伝票起票がスムーズになり、出荷作業の効率アップと人的負担軽減に繋がるといったメリットがあります。
帳簿在庫をリアルタイム管理
不定貫対応の販売・在庫管理システムでは商品の入出荷や仕入／売上の発生に応じてデータ入力が可能です。帳簿在庫のリアルタイム性が保たれ、在庫引当てや補充検討などの作業を滞ることなく効率的に行えます。
食肉や魚、野菜などの生鮮食品を扱う企業様にとって、帳簿在庫のリアルタイム管理は非常に重要です。欠品だけでなく賞味期限切れによる食品ロスも最小限に防ぐことができるでしょう。
まとめ
不定貫商品とは、同じ品目でも荷姿や重量が一定でない商品のことです。定貫商品に比べて販売・在庫管理が煩雑になりやすく、多くの課題があります。
・受注入力作業で人的ミスや属人化が生じる
・出荷作業に時間がかかる
・実在庫と帳簿在庫に誤差が生じる
これらの課題を解決するためには、不定貫対応の販売・在庫管理システムを導入することが有効です。ケース数と重量をそれぞれ入力できるなど、不定貫商品の特性を踏まえて開発されており、煩雑な受注入力作業や出荷作業の効率化を図ることができます。
不定貫商品の管理にお困りの事業者様は、ぜひ本コラムを参考にして頂ければと思います。
